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クラシック・アルバムガイド

Bless Its Pointed Little Head

Jefferson Airplane・1969年・サイケデリック・ロック

1968年10月のFillmore West公演と同年11月のFillmore East公演から編まれたJefferson Airplane初のライヴ・アルバム。クラシックな6人編成の舞台上の力学を軸に、全10曲を作り替えている。

1969年2月発売全10曲のオリジナル・ライヴLPFillmore West/Eastで録音
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作品

基本情報

アーティスト
Jefferson Airplane
発売
1969年2月
種別
初のライヴ・アルバム
オリジナル収録曲
10曲
会場
Fillmore West、Fillmore East
プロデュース
Al Schmitt

重要な理由

ついに舞台上のバンドが一枚の作品になる

『Bless Its Pointed Little Head』は、Jefferson Airplaneのライヴでの個性が、既知の曲のスタジオ版を並べるだけでは再現できないことを示す。Balin時代のレパートリーは長く、より硬質になり、KaukonenとCasadyは歌の行間を第二の作曲領域へ変える。全体の半分は通常のスタジオ・アルバム収録曲の外側にあり、外部作家の2曲、伝承ブルースの翻案、集団による舞台作品2曲で構成される。

東西両海岸の録音を編集しているが、全体は周到に設計された一つのコンサート曲順として機能する。中央部の大半をFillmore Westが担い、Fillmore Eastがその枠を作って広げる。

本作には見方を正す役割もある。直近のスタジオ作では作家としてKantnerとSlickが前面に出たが、このライヴ盤はBalinの曲とKaukonen、Casady、Drydenの駆動部を再び中心へ戻す。

1968年10月〜11月

6夜の演奏が一つのRCA曲順になる

録音は『Crown of Creation』ツアー期のものだが、オリジナル全10曲のLPには同スタジオ作から一曲も選ばれていない。

Fillmore West公演は1968年10月24日から26日までSan Franciscoで録音され、続くFillmore East公演は11月28日から30日までNew Yorkで録音された。

オリジナルの曲順は一晩の完全収録ではなく、二つの音源を交互に配置する。「Clergy」「Fat Angel」「Turn Out the Lights」「Bear Melt」はNew York、残る6曲はSan Franciscoの演奏だ。

ライヴ録音はAl Schmittがプロデュースし、Richie Schmittがエンジニアを務めた。

RCAは1969年2月に本作を発売した。舞台レパートリーは『Jefferson Airplane Takes Off』『Surrealistic Pillow』まで遡る一方、Airplane名義の既発スタジオ版がない作品も収める。

公式バンド年表によれば米国最高17位。1969年6月には英国で38位に1週入り、バンド初のUKアルバム・チャート登場となった。

ライヴの6人編成

スタジオという避難所を持たないクラシックな6人

Marty Balinヴォーカル、ギター、演奏された既発曲4曲の作者
Grace Slickヴォーカル、キーボード
Paul Kantnerリズム・ギター、ヴォーカル、集団即興の作曲クレジット
Jorma Kaukonenリード・ギター、ヴォーカル、集団即興の作曲クレジット
Jack Casadyベース、集団即興の作曲クレジット
Spencer Drydenドラム、集団即興の作曲クレジット
Al Schmittプロデューサー
Richie Schmitt録音エンジニア

Balinは初期スタジオ作より大きな舞台音量に対して歌う。曲の率直な旋律線を失わず、フレージングはより力強くなる。

Slickは圧倒的なリード、ハーモニー、自由形式を煽る声を行き来する。「Bear Melt」では通常のフロント役というより、もう一つの即興楽器として用いられる。

Kantnerのリズム・ギターは、動き続けるCasadyのベースとKaukonenのリードの間に強固な中間層を作る。アレンジが元の長さを超えて広がるとき、これは欠かせない。

Kaukonenはフィルを長い主張へ発展させる。「Rock Me Baby」はブルースの枠を与え、既発曲では馴染みある輪郭をいかに大胆に描き直せるかを示す。

Casadyは本作で最も絶えず動く声部だ。ベース・ラインは和声の向きを変え、ギターに挑み、長い演奏が停滞したジャムになるのを防ぐ。

Drydenは推進力と伸縮性を両立する。短い曲を引き締める一方、「Fat Angel」や「Bear Melt」には前進感を失わず呼吸の余地を与える。

コンサートによる構築

ベース、ギター、歌声が空間を占める

ライヴ・ミックスは多くのスタジオ録音よりギターとベースに物理的な大きさを与える。CasadyのアタックとKaukonenの持続音は、別々でありながら作用し合う空間を占める。

曲は単純な反復ではなく、楽器同士の対話によって長くなる。馴染みあるヴァースは、内部の重心が動き続けるアレンジの定点となる。

歌声はなお中心にあるが、コンサートでの混ざり方はより粗く劇的だ。Balin、Slick、Kantnerはスタジオ的な平滑化なしに合流し、離れ、互いへ応答する。

会場の切り替わりは聞き取れるが、連続性を壊さない。West録音が本体を成し、Eastの選曲が語りの枠、幅広いカヴァー素材、長い終曲を加える。

曲順は規模を慎重に制御する。観客へ向けた短い「Clergy」と「Turn Out the Lights」が、7分台のカヴァー2曲と11分の「Bear Melt」に設計全体を独占させない。

これは複数公演を編んだ作品であり、一公演の中立的な記録ではない。力の源は舞台上の出来事だけでなく、選曲と配列にもある。

演奏ガイド

二つのFillmoreから選ばれた10演奏

01

Clergy

アルバムは完全な曲ではなく、Fillmore Eastでの短い語りと観客へ向けた枠から始まる。会場の反応、間合い、舞台上の個性が、実在した夜々から組み立てられた演奏空間へ聴き手を導く。「Clergy」は音楽前の空白ではない。スタジオの磨きから期待を切り替え、続くSan Francisco公演を、地理と編集をまたいで突然幕が上がるように感じさせる。

02

3/5 of a Mile in 10 Seconds

Fillmore Westで録音されたBalinの『Surrealistic Pillow』収録曲は、より重く、わずかに広がる。KaukonenのギターとCasadyのベースが歌の構造を外へ押し広げ、Drydenは拡張されたアレンジの切迫感を保つ。簡潔な曲の個性を捨てず、スタジオ版が内包していた楽器の力を露出させる。最初の完全な演奏として、ライヴ盤の方法を即座に明示する。

03

Somebody to Love

Darby Slick作の曲は識別しやすい歌の中心を保つが、Fillmore Westの演奏は周囲の輪郭をすべて荒らす。Grace Slickはただ打ち鳴らすのでなく動くリズム隊の上へ声を放ち、ギターのアクセントが反復和声を不安定にする。ヒット曲が博物館の展示品として再現されずとも、舞台上で簡潔な構造を保てることを示す。親しみやすさが攻撃の足場になる。

04

Fat Angel

Donovanの曲で音源はFillmore Eastへ移る。Jefferson Airplaneは浮遊する誘いを7分のサイケデリックなアンサンブル作品へ伸ばし、活動的なベースとギターの上に多層の歌声を置く。空間は広いが無重力ではない。DrydenとCasadyが歌の霞の下にゆっくり動く身体を保つ。近隣のソングライターの素材を自らのコンサート文法で変えるため、外部作家の曲であることが意味を持つ。

05

Rock Me Baby

Fillmore Westへ戻り、伝承ブルースの枠がKaukonen、Casady、Drydenに、芽生えつつあるトリオの言語を形にする余地を与える。ギター句は伸び、ベースは追従せず応答し、ドラムは固定的なシャッフル練習にせず形を保つ。後にKaukonenとCasadyがHot Tunaで追う音楽的優先事項を指し示すが、ここではAirplane全体の文脈と曲順が不可欠だ。

06

The Other Side of This Life

Fred Neilの曲はFillmore Westで硬く渦巻くヴォーカル・ロックになる。3声の歌が明確な反復中心を作り、その周囲でギターとベースが横方向の動きを生む。Airplaneによる変容はテンポ変更以上に根本的で、フォーク由来の素材が共同体的な電気の議論になる。「Rock Me Baby」の後に置かれ、器楽ブルースの比重から、集団歌唱と競合する声部というバンド特有の緊張へ戻る。

07

It's No Secret

Balinの初期曲は率直な宣言を失わず重量を増す。ライヴの歌声はバンドに押し返し、楽器の攻撃が開放性を無垢でなく切迫したものにする。本作でも短い演奏の一つであり、Airplaneのコンサートでの個性が無制限の長さと同義でないことを証明。長い翻案2曲の後に圧縮され、焦点を絞ったバンドの主張へ突然戻ることで力を得る。

08

Plastic Fantastic Lover

『Surrealistic Pillow』のBalin曲が長いFillmore West部分を閉じる。Casadyのベースは機械的なイメージを身体の動きへ変え、Kaukonenの鋭いギターと切り詰めた歌い方がスタジオ版の整然さを大きく削る。演奏は短いが密に分節される。既知のレコード再現ではなく、全員が独立したパートを投射すべき舞台のために設計された響きだ。

09

Turn Out the Lights

曲順はFillmore Eastへ戻り、Kantner、Casady、Kaukonen、Slick、Dryden名義の短い集団作品へ進む。実用的で遊び心ある舞台上のやり取りが独立トラックとなり、「Bear Melt」前に人間的な尺度の休止を置く。Balinの作曲クレジットがないことで、ここに示される集団即興ユニットが区別される。曲間の雑事として捨て得たものが、LP設計の意図的な間合いになる。

10

Bear Melt

同じ5人の作曲グループが、11分に及ぶFillmore Eastの終曲に名を連ねる。Slickの自由形式の声の身振りは、固定ヴァースではなくCasady、Kaukonen、Kantner、Drydenが形作る器楽の場へ入る。着想は互いを聴くアンサンブルの中で蓄積し、溶け、戻る。「Bear Melt」はAirplaneの全演奏が開放型ジャムになった証拠ではない。先行9曲が短い歌、カヴァー、移行部を等しく操る力を示したからこそ、この規模が機能する。

演出された筋書きはない

演奏による変容

本作に物語的コンセプトはない。構成原理は変容、すなわち既知の曲や借りた素材がJefferson Airplaneの1968年の舞台言語を通ると何が起こるかだ。

Balinの初期曲はより硬く、リズム上のせめぎ合いを増し、短いスタジオ版が示唆しただけの性質を露わにする。3曲の翻案は一つの主題物語ではなく、ポップ、フォーク、ブルースを横断する系譜を作る。「Turn Out the Lights」と「Bear Melt」は、実務的な舞台交流から持続する集団発明まで、演奏そのものを作曲素材として扱う。二会場の構成も意味の一部となり、ツアー中のバンドは一公演の連続性でなく、アンサンブルの個性の連続性によって表現できる。

RCA LSP-4133

意図的に乱れたライヴの顔

カヴァー写真はJim Smircich、アート・ディレクションはGary Blackman、オリジナル内袋ポスターはBill Thompsonのクレジット。

乱れた肖像は英雄的なコンサートの見世物を避ける。音楽家を遠い舞台上の偶像ではなく、仕事を終えた身体として示す。

その非公式な視覚的個性は、舞台上の語り、粗い歌の縁、スタジオの尺度を超える演奏を含む本作に合う。RCAのオリジナル装丁は全10曲。後の13曲版は資料を増やすが、歴史的LPの境界は変えない。

1969

米国17位、初のUKチャート入り

RCAは1969年2月、『Bless Its Pointed Little Head』をJefferson Airplane初のライヴ・アルバムとして発売した。公式年表によれば米国17位。同年6月には38位に1週入り、グループ初のUKアルバム・チャート登場となった。

オリジナル曲順に『Crown of Creation』の曲も新たに売り出すスタジオ・シングルもないだけに、この成功は注目に値する。本作が売るのはアンサンブル自体、すなわち既発曲の再解釈、外部レパートリー、舞台上の集団発明だ。

Fillmoreの記録

スタジオ作品群へのライヴからの反論

『Bless Its Pointed Little Head』は、クラシック期Airplaneがスタジオ・アクトだけでなくコンサート・バンドだったことを一枚のLPで最も明瞭に論証する。後期のスタジオ作で作曲の重心がKantnerとSlickへ移った時点に、初期曲の演奏はBalinの中心的な舞台役割を残す。「Rock Me Baby」は、関連する音楽的志向がHot Tunaという別の居場所を得る前のKaukonen、Casady、Dryden軸を記録する。

二つのFillmore音源により、本作は完全公演の記録でなく編集されたライヴ・アルバムとなる。その区別は間合いを聴くうえで不可欠だ。後の資料盤にはより長い単独公演があるが、この固有の全10曲構成に取って代わらない。

どの版を選ぶ?

2004年追加3曲より先にオリジナル10曲を聴く

1969年オリジナル・ライヴLPFillmore WestとFillmore Eastから編んだ全10演奏。
2004年拡張版1968年のFillmore West録音から「Today」「Watch Her Ride」「Won't You Try」を追加。
後年のコンサート資料盤より広い公演背景には有用だが、設計されたオリジナルLPとは別物。

歴史的アルバムとしては「Bear Melt」で止める。「Today」「Watch Her Ride」「Won't You Try」は2004年の追加で、元来のアンコール曲順ではない。LPを一公演と説明してはならない。Fillmore WestとFillmore Eastの音源が交互に並ぶ。

低域の解像度を保ち、Casadyのラインを輪郭のない重量にせず明瞭に聴く。ライヴの既発曲とスタジオ版を比べるのは、全10曲を独立した構成として聴いた後にする。

聴き方の道筋

会場、レパートリー、拡張を追う

  1. まず会場が変わる箇所と、作品が地理の違いをいかに滑らかに隠すかに注目する。
  2. Balinの4曲を初期スタジオ版と比べ、ベースとギターの拡張に集中する。
  3. 「Fat Angel」「Rock Me Baby」「The Other Side of This Life」を、異なる3種の翻案法として聴く。
  4. ライヴのヴォーカル・アレンジでBalin、Slick、Kantnerの均衡を追う。
  5. 最後は「Turn Out the Lights」と「Bear Melt」を、舞台の現実から開かれた集団形式への一続きの移行として扱う。

調査経路

出典と参考資料

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