作品概要
基本情報
- クレジット上のアーティスト
- The Electric Prunes
- 発売
- 1968
- アルバム
- スタジオ第4作
- オリジナル収録曲
- 7曲
- レーベル
- Reprise RS 6316
- 作曲・編曲
- David Axelrod
重要である理由
The Electric Prunesという名がスタジオ企画のクレジットになる
『Release of an Oath』はThe Electric Prunes名義のスタジオ第4作ですが、1967年の初期メンバーは誰も演奏していません。当時のPrunesツアー編成から録音参加が資料で確認できるのはRichard Whetstoneだけです。全7曲をDavid Axelrodが作曲・編曲し、Dave Hassingerが引き続きプロデューサーとしてクレジットされています。Howard RobertsとLou Morrellがギター、Don Randiが鍵盤、Carol Kayeがベース、Earl Palmerがドラムを担当。本作はツアー・バンドの演奏記録ではなく、Los Angelesのスタジオ制作文化に属します。
副題『The Kol Nidre – A Prayer of Antiquity』は冒頭曲の出典と、誓いからの解放という作品の枠組みを示します。全体にはユダヤ教とキリスト教双方の礼拝に関係する題名や言葉も使われるため、一回のYom Kippur礼拝を7段階で忠実に再現した作品ではありません。『Mass in F Minor』に比べ、7楽章はリズム隊、弦、声、管弦楽の色彩をより滑らかに統合します。The Electric Prunesという表記が企業的な連続性となり、Axelrodの作曲家としての個性こそ真の芸術的中心になった点で、本作は重要です。
Los Angeles、1968年
新しいツアー編成と、ほぼ別個の録音アンサンブル
『Mass in F Minor』によって、初期Prunesの名義と自分たちの録音に対する完全な主導権は分離しました。次のAxelrod企画では、Lowe、Tulin、Williams、Weakleyはもはや録音グループではありません。HassingerはColoradoのバンドClimax出身者を中心に、Whetstone、John Herron、Mark KincaidとベーシストBrett Wadeによるツアー編成を組みました。しかし『Release of an Oath』本編への参加が確認されるのはWhetstoneだけです。
Axelrodは定評あるセッション奏者を使って器楽編曲を録音しました。Repriseは1968年に本作をRS 6316として発売しましたが、オリジナル盤の資料と後年のデジタル・カタログでは発売月が9月と11月に分かれます。オリジナル盤はA面3曲、B面4曲です。この企画の後、New Improved Electric Prunesは異なるバンド主体のハードロック作品『Just Good Old Rock and Roll』を制作しました。
スタジオ・アンサンブル
Whetstone、Roberts、Morrell、Randi、Kaye、Palmer
Axelrodは、出典の枠組み、7曲の題名、管弦楽の声部、宣言から終結までの順序という音楽上の全議論を統括します。Hassingerのプロデューサー表記とバンド名の所有権が、この企画がThe Electric Prunesのカタログに載る理由です。Whetstoneは人間的な歌の中心を与えますが、それによってスタジオ・アンサンブルがツアーの4人組になるわけではありません。RobertsとMorrellは書かれた編曲の中へギターを置き、重い句読点のような音と持続する色彩を交互に加えます。
Randiの鍵盤は『Mass in F Minor』でのMark Tulinの役割を模倣せず、合唱層とリズム層を結びます。KayeとPalmerは作品に制御された低音の動きと、輪郭の鋭いブレイクを与えます。参加者は匿名の代役ではなく、Axelrodの第二の儀式設計を実行する、身元の明確なLos Angelesのセッション名手たちです。同じグループ名が表紙にあるというだけで、初期Prunesのクレジットを本作へ持ち込んではいけません。
Axelrodによる第二の儀式作品
弦、合唱、ブレイクビーツ、告白の構造
「Kol Nidre」は荘厳な宣言、暗い管弦楽の厚み、力を抑えたリズム隊で始まります。「Holy Are You」はWhetstoneの声を合唱、オルガン、重く意図的なグルーヴへ対置。「General Confessional」は大部分が器楽で、弦、木管、ギター、ドラムによって緊張を展開します。「Individual Confessional」は内面への転換を、最短の題名付き声明へ凝縮します。
「Our Father, Our King」は反復される呼びかけと、外へ広がる編曲を釣り合わせます。「The Adoration」は声、管弦楽の応答、明瞭なリズムの土台によって崇敬を拡張。「Closing Hymn」は規模を縮め、ガレージ・ロックを再現せず作品を完結させます。Axelrodが各楽章へ異なる密度を与える一方、PalmerとKayeは一貫した身体的脈動を保ちます。
全曲ガイド
「Kol Nidre」から「Closing Hymn」へ進む7段階
Kol Nidre
冒頭の宣言は荘厳な声、弦、宙づりにされたリズムの重みによって、誓いからの解放という枠組みを築きます。Axelrodは古代性を博物館的な雰囲気ではなく生きた緊張として扱い、儀式の空間が定まるまで完全なグルーヴを遅らせます。
Holy Are You
Whetstoneの歌と合唱の応答が、より重い脈動へ入ります。KayeとPalmerは聖性を通常のロック・コーラスへ変えずに身体化し、鍵盤とギターが反復のたびに深みを加えます。
General Confessional
A面は、ほぼ器楽だけの集団的告白で閉じます。弦、木管の色彩、ギター、ドラムが、一人の悔悛者の声から広い場へ注意を移し、その規模自体を楽章の神学的・音楽的主張にします。
Individual Confessional
B面はその場を狭めるところから始まります。短い構造と親密な緊張が、新たな演奏者を必要とせず、個人の責任を先行する集団形式から分けます。
Our Father, Our King
反復される呼びかけが、父と君主のイメージを結びます。Axelrodは鍵盤、リズム、アンサンブルの応答を通じて外へ広げ、信仰の言葉を本作で最も明瞭に積み上がるグルーヴの一つへ置きます。
The Adoration
崇敬は広がり、リズムにしっかり根差します。Whetstoneの声、それを支える厚い歌声、スタジオ・アンサンブルが公の賛美行為をつくり、ギターは編曲を支配せず句読点のように区切ります。
Closing Hymn
最終楽章は器楽規模を縮め、儀式的な解放をもたらします。The Electric Prunesの歴史を総括するのではなく、Axelrodの7部構成を閉じ、バンド固有の署名ではなく完遂された儀式機能で終わります。
告白と解放
誓い、告白、王権、礼拝、解放
本作はオリジナル・ジャケットが示すとおり、良心に反して立てた誓いからの解放を出発点とします。「General Confessional」と「Individual Confessional」は、集団的な承認と個人の責任を区別します。「Holy Are You」「Our Father, Our King」「The Adoration」は、それぞれ異なる形で聖なる存在へ呼びかけます。「Kol Nidre」がユダヤ教典礼の出発点です。
ほかの題名と言葉の連想によって、作品は一つの礼拝を厳密に再現する範囲を越えて広がります。連続体は人を縛る宣言から、告白と賛美を経て、形式的な終結へ進みます。Axelrodは一つの言語、語り手、宗派ではなく、繰り返し現れる管弦楽の重みとリズムによって統一感をつくります。本作の世俗的な副題は依然としてアイデンティティです。有名なバンド名の内側に、ほぼ別の人々が作った音楽が収められています。
Reprise RS 6316
Kol Nidreの副題とReprise RS 6316
Repriseは『Release of an Oath』をRS 6316として発売しました。副題『The Kol Nidre – A Prayer of Antiquity』がコンセプトの枠組みとして掲げられています。
Ed Thrasherがパッケージを監督し、Sid Averyが写真を提供、Jules B. Newmanがライナーノーツを書きました。
『Mass in F Minor』とは異なり、ジャケットは初期The Electric Prunesが録音したかのように彼らの肖像を載せてはいません。A面に3曲、B面に4曲を配し、二つの告白楽章は面の切れ目を挟んで置かれます。
1968
発売月に異説があり、商業的成果も乏しかった1968年作
本作は1968年に発売されました。オリジナル盤の資料は9月、AllMusicとWarnerのデジタル記録は11月としています。そのため正確な月を無理に確定せず、カタログ上の食い違いとして示します。『Release of an Oath』は『Mass in F Minor』の控えめなチャート成績にも届きませんでした。
後年の批評では、管弦楽とロック・リズムの統合が前作より成功していると評価されることが少なくありません。しかし芸術的な改善によって、初期バンドの参加や公的なアイデンティティが戻ったわけではありません。本作をもってThe Electric Prunes名義によるAxelrodの宗教作品2作は完結しました。
第4作
統合度を増したAxelrodの第二のPrunes企画
『Release of an Oath』は通常のThe Electric Prunesによるバンド・アルバムではなく、Axelrod作品として聴かれることが次第に増えました。制御されたブレイク、ベース、ドラム、管弦楽の層は後にサンプリングを用いるプロデューサーを引きつけました。特に「Holy Are You」「General Confessional」「The Adoration」は、後年のサンプリング史を通じて広く知られます。本作はAxelrodの最も凝縮された完全設計の一つに参加するKaye、Palmer、Randi、Roberts、Morrellを記録しています。
Whetstoneの参加は本作を実在したPrunesツアー編成へ結びますが、フル・バンドで演奏したという主張を正当化しません。より広く混合された典礼語彙を使いながら、全7曲の形式は『Mass in F Minor』より引き締まり、短くなっています。初期Prunes、後継ツアー・グループ、スタジオ・アンサンブルという三つの別個の実体を事実に沿って分けることで、本作の評価は明瞭になります。その条件で聴けば、本作は失敗した4枚目のガレージLPではなく、借りたアーティスト名を持つ、正確にクレジットされたスタジオ作曲作品です。
オリジナル収録構成
オリジナル全7楽章、隠れたバンドLPではない
オリジナル・アルバムは全7曲です。「General Confessional」がA面を閉じ、「Closing Hymn」が本来の、そして唯一のアルバム終曲です。全7曲の作曲者はAxelrodとクレジットされています。
オリジナルのプロデューサー表記はHassingerです。Whetstoneは参加が資料で確認できる唯一のツアーPrunesメンバー。1967年の初期The Electric Prunesは誰も本作で演奏していません。発売月を9月とする資料と11月とする資料の食い違いは未解決です。
聴き進め方
3曲/4曲の儀式的連続体をたどる
- 「Kol Nidre」に誓いからの解放という枠を築かせる。
- 「Holy Are You」を、声と完全なリズム隊の出会いとして聴く。
- 「General Confessional」をオリジナル盤A面の終点にする。
- 内面へ向かう「Individual Confessional」で気持ちを切り替える。
- 父/王への呼びかけから礼拝へ進む。
- 「Closing Hymn」に儀式を完結させる。
- その後で『Mass』と比べる。ただし同じ参加者による連続セッションとは扱わない。
調査資料
出典と参考資料
- 『Release of an Oath』の収録曲とアルバム評 — AllMusic
- The Electric Prunesの歴史とセッション参加者 — AllMusic
- Warnerの全7曲デジタル構成 — Apple Music
- オリジナルRS 6316の収録構成とパッケージ・クレジット — 45cat / 45worlds
- 後年のアルバム評と参加者情報 — Vintage Guitar
- Kol Nidreの文化的背景とジャケット解説の分析 — Jewish Quarterly
- オリジナル盤と再発盤のカタログ記録 — Recordsale archive