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クラシック・アルバムガイド

Musik von Harmonia

Harmonia・1974年・クラウトロック/電子音楽/アンビエント

『Musik von Harmonia』は、Michael Rother、Dieter Moebius、Hans-Joachim Roedeliusによる全8曲の器楽デビュー作。1973年6月から11月にかけてForstのHarmonia自宅スタジオで録音され、1974年1月にBrainから発売された。

1974年1月発売8つの器楽曲Brain 1044
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作品概要

ひと目で分かる要点

作品区分
Harmoniaのデビュー作
メンバー
Rother、Moebius、Roedelius
オリジナル曲
8曲
作曲者
メンバー3人
プロデュース
Harmonia
1979年の改題
Dino

重要性

実績ある3人が、田園のスタジオで共有語法を発明する

『Musik von Harmonia』は、Neu!とClusterで知られていた音楽家たちの特徴を単に足し合わせるのではなく、そこから第三の個性を生み出した。

Michael Rotherのギターと前進する脈動が、Moebiusの攪乱的な電子音、Roedeliusの旋律的な鍵盤のタッチと対等に向き合う。Forstの自宅スタジオでは、通常の商業スタジオの時間割から離れ、演奏、編曲、録音を一体として発展させられた。全8曲を3人が共同作曲しており、アルバムが3人の共同プロジェクトであることを強調する。A面は凝縮されたリズムから長編「Sehr kosmisch」を経て明るい小品へ進み、B面は対照的な5つの形式を詰め込む。

クレジットされた生ドラム奏者はいないが、電子打楽器が運動を生む。音楽には牧歌的な広がりがあるものの、ただ穏やかなだけではない。ざらつき、反復、突然の音色変化が表面を絶えず動かしている。オリジナルの全曲に歌詞や歌声はなく、「インストゥルメンタル」という分類が正確だ。

Forst、1973年

ForstでNeu!とClusterが出会う

Michael RotherはKraftwerkの初期編成でKlaus Dingerと活動した後、彼とともにNeu!を結成した。

Dieter MoebiusとHans-Joachim RoedeliusはClusterとして活動し、制作拠点を田園の村Forstへ移していた。Rotherは当初、Neu!に関係する共同制作の可能性を探って2人を訪ねたが、その音楽的関係はHarmoniaへ発展した。3人はForstの自宅スタジオを活動の中心に据え、録音を日常生活から切り離す必要がなかった。『Musik von Harmonia』は1973年6月から11月に録音された。

Brainは1974年1月、カタログ番号1044で本作を発売した。3人がプロデュースし、全8曲の作曲クレジットを共有している。1975年には、より厚みのある制作とMani Neumeierのドラムを取り入れた第2作『Deluxe』が続いた。

Rother、Moebius、Roedelius

自立したマルチ奏者3人のユニット

Michael Rotherギター、オルガン、ピアノ、電子打楽器、作曲、プロデュース
Dieter Moebiusシンセサイザー、ギター、電子打楽器、作曲、プロデュース
Hans-Joachim Roedeliusオルガン、ピアノ、ギター、電子打楽器、作曲、プロデュース
Harmonia演奏、編曲、プロデュース、カバー・コンセプト
Christine Roedelius写真
Harmonia HeimstudioForstの録音場所

Rotherのギターは、前面でロック・ソロを奏でる楽器というより、持続する色彩と反復する推進力の源として働くことが多い。Moebiusは乾いた電子音のアタック、不安定な輪郭、わずかにぎこちないパターンを持ち込み、音楽が滑らかになりすぎるのを防ぐ。Roedeliusのピアノとオルガンは、広がる電子的な質感の中にも親密な身振りを響かせる。3人全員が電子打楽器を使い、リズムをドラマー一人の領域ではなく、共有する作曲資源にしている。

共同作曲のクレジットは、すべての旋律線をRother、すべての攪乱的な音をMoebiusと決めつけないよう促す。Harmoniaは自宅スタジオ環境で自ら本作をプロデュースした。Conny Plank、Brian Eno、Mani Neumeierは前後するHarmonia史の重要人物だが、このオリジナル盤の参加者ではない。Christine Roedeliusの写真は視覚資料へ貢献しているが、演奏参加を意味しない。

器楽の合流点

モトリックな運動、自宅の電子音、叙情的な空間

生のドラム・キットがなくても、反復するアタックによって電子打楽器が身体的に感じられる。Rotherのギターは歪みで存在を主張するのではなく、しばしば明るく長い線となってオルガンやシンセサイザーへ溶け込む。Moebiusのシンセサイザーの質感は、滑らかになりかねないパターンへざらつきと横方向の動きを加える。Roedeliusのピアノとオルガンは、特に3人が音と音の間へ広い余白を残す場面で、人の手の感触を保つ。

「Sehr kosmisch」は自宅スタジオの音色を10分以上に広げ、「Sonnenschein」は同じ3人が小品でも完全な世界を作れることを示す。「Dino」と「Veterano」は異なる角度からモトリックな推進へ近づく。前者は軽快で直接的、後者はより疲労感と機械性を帯びる。「Ohrwurm」は執拗な音色で意図的に表面を荒らし、安易な牧歌的解釈を拒む。

「Ahoi!」と「Hausmusik」は家庭的な尺度の鍵盤アイデアを前景化し、スタジオを抽象的な実験室ではなく一つの部屋として感じさせる。

A面3曲、B面5曲という非対称な配分が、各面に異なる形式的性格を与える。ボーカルはなく、旋律表現はアタック、音域、反復、そしてギターと鍵盤の間で移り変わる境界によって担われる。

全8曲ガイド

非対称なLP両面に並ぶ8つの器楽曲

01

Watussi

「Watussi」は、脈打つ電子音の土台と、その上の空間を繰り返し開く明るいギターの色彩によってHarmoniaを紹介する。生のロック・ドラムの重量はないが、リズムには身体へ迫る執拗さがある。Moebiusの荒い電子音の細部とRoedeliusの鍵盤感覚が、Rotherの前進運動をNeu!の模倣に終わらせない。脈動、旋律、質感が絶えず交渉する音から、3人の共同作曲が聞き取れる。冒頭曲として、新しいグループの目的を具体化する。すでに知られた3つの音楽的反射が、いまや互いを必要としている。

02

Sehr kosmisch

10分を超える「Sehr kosmisch」は、アルバムでもっとも広大な環境だ。遅く低い脈動と宙づりの鍵盤層が、音量ではなく時間をかけることで規模を作る。ほとんど無重力にも思える音場の中に、ピアノのような音が人の手触りとして現れる。「とても宇宙的」という題名はドイツ電子音楽を取り巻く語彙を認めつつ、自宅スタジオの親密さによって無機質な宇宙像を複雑にする。A面中央に置かれたことで、緩やかな変化そのものが主題になる。テンポがほぼ静止していても、和声、密度、奥行きは動き続ける。

03

Sonnenschein

「Sonnenschein」は4分弱の明るい動きと凝縮された旋律でA面を閉じる。題名は「日差し」を意味するが、装飾的な甘さではなく、開かれた音域と素早さによってその印象を得ている。反復する電子音型は、ギターと鍵盤が前景を交換する余地を残す。「Sehr kosmisch」の長い宙づりの後では、蓄えたエネルギーを放つ小品のように響く。同じ楽器資源を使いながら、A面は「Watussi」の密な脈動から遠く離れた場所で終わる。

04

Dino

「Dino」は、凝縮されたモトリックの滑走でB面を始める。電子打楽器が均一な前進路を作り、その上をギターと鍵盤の色彩が層を変えながら通過する。この曲は、Rotherの存在をリード・ギターだけに還元できない理由を示す。推進力、持続音、編曲が絡み合っているからだ。MoebiusとRoedeliusは小さな攪乱と旋律の転回で格子を生かし続ける。その直接性から後年にはアルバム全体の別題にもなったが、ここではより幅広い流れの中の一曲である。

05

Ohrwurm

「Ohrwurm」は文字どおり「耳に残る曲」を意味するが、題名から想像される磨かれた親しみやすさを拒む。反復は荒々しく執拗で、ギターのような軋み、電子音の叫び、鍵盤の圧力が聴き手の安らぎを試す。共同作曲をMoebius一人の作品へ変えることなく、彼の攪乱的な本能へ特に大きな空間を与えている。「Dino」の直後という配置が重要だ。滑らかな道が突然、傷んだ縁を持ち始める。反復を安心ではなく刺激と身体的な質感として使うこの曲は、Harmoniaの牧歌的な評判には収まりきらない。

06

Ahoi!

「Ahoi!」はピアノ主導の音型と循環する伴奏によって、再び尺度を変える。題名の船乗りの挨拶は外へ向かう動きを示す一方、演奏は一音ごとのタッチが見えるほど親密だ。電子的な反復は鍵盤線を圧倒せず、支えに回る。「Ohrwurm」の後だけに、その明瞭さは改めて勝ち取られたものに感じられる。感嘆符は曲の覚醒感にふさわしいが、エネルギーは節度を保つ。Harmoniaは劇的な出航ではなく、パターンの小さな変化から旅立ちを作る。

07

Veterano

「Veterano」は、使い込まれたような、やや機械的な性格とともに、強い前進運動を取り戻す。電子打楽器と反復する音のセルが道のような連続体を作るが、質感の変化が曲の自動運転化を防ぐ。題名の「古参」の像は経験にも疲労にも読め、荒れた表面を見せながら進むグルーヴにはどちらも似合う。「Dino」をなぞらず補完し、軽快な「Dino」に対して、こちらはより大きな抵抗と蓄積した重量を運ぶ。3人はここでも、手段の制約を精密な差異へ変える。

08

Hausmusik

「Hausmusik」は、企画全体を形づくった「家で作る音楽」を名に掲げてアルバムを閉じる。ピアノとオルガンのような身振りが終曲に家庭的で手作りの尺度を与え、電子伴奏は3人の共有語法を静かに保つ。題名は曲を気軽なものや未完成品にするのではなく、家を本格的な作曲の場として定義する。B面の急速な対照の後、終わりは頂点を求めず親密さを集める。こうして最後の曲は、制作環境そのものを言葉のない芸術的声明へ変える。

家と運動

書かれた物語なしで描く運動と家庭的な尺度

8曲は物語を語るコンセプト・アルバムではないが、曲名が運動、空間、家庭での制作から成る世界を組み立てる。「Watussi」と「Veterano」は人物や属性を名指すが、書かれた物語は与えない。「Sehr kosmisch」は想像上の宇宙へ広がり、「Hausmusik」は音楽が作られる部屋へ視線を戻す。「Sonnenschein」は自然光を電子音の対となるものとして用いる。

「Dino」「Ahoi!」「Veterano」は旅や前進を暗示し、リズム設計がその動きを身体的なものにする。

「Ohrwurm」は耳に残る反復という発想を、荒々しく自己意識的なものへ変える。これらの像を結ぶのは、作り上げた筋書きよりも自宅スタジオという現実だ。全編が器楽曲なので意味は開かれたままで、歌詞ではなく曲順、音色、題名から立ち上がる。

Brain 1044

ハーモニー、アンモニア、家庭用ボトル

Brainのオリジナル・ジャケットには、Harmoniaの名を記した家庭用洗剤のボトルが描かれている。ハーモニーとアンモニアの、見た目と言葉の近さを利用した図案だ。意図的に日常的なその物体は、家庭環境で本格的な実験音楽を録音するグループによく似合う。Brainのドイツ初版のカタログ番号は1044。

A面には「Watussi」「Sehr kosmisch」「Sonnenschein」、B面には残る5曲を収録する。カバー・コンセプトはHarmonia、写真はChristine Roedeliusのクレジット。1979年のBrain再発盤は原題を『Dino』へ変え、別のアートワークを使用した。したがって「Dino」は曲名であると同時に同じアルバムの後年の名称でもあり、Harmoniaの別のスタジオ作ではない。

Harmoniaのデビュー作

後に『Dino』として再紹介されたBrainデビュー作

Brainは1974年1月に『Musik von Harmonia』を発売した。オリジナル盤は全8曲の器楽作品で、合計約42分。全曲の作曲者はMoebius、Roedelius、Rotherの3人で、Forstの自宅スタジオで行った録音のプロデュースも3人が担った。

本作はHarmoniaを、Neu!とClusterの一時的な寄せ集めではなく独立したグループとして確立した。発売当初の商業的な広がりは限られたが、後年の批評は3人による統合の独創性をますます強調するようになった。1979年の『Dino』再発盤は、同じ中核作品を、より認識しやすい曲名の下で提示した。現代の再発盤は『Musik von Harmonia』を標準題へ戻し、オリジナル曲順を聴ける形で保っている。

永続する統合

牧歌的な電子音楽トリオの設計図

現在このデビュー作は、モトリック、電子音楽、アンビエント志向の実践が独自に交わるHarmoniaの評価の中心にある。その成果は一つの新ジャンルを発明したことより、すでに成熟していた3つの様式を互いに変化させた点にある。Rotherの明快な旋律はMoebiusの荒い電子音の隣でより奇妙になり、Roedeliusの鍵盤のタッチの隣でより親密になる。Forstでの制作方法は、自宅スタジオが単に録音費を抑えるだけでなく、作曲そのものを形づくり得ることを示した。

後年のBrian Enoによる称賛と共同制作はHarmoniaの歴史的な知名度を高めたが、彼はこの1973年録音には関与していない。『Deluxe』はより磨かれた表面、ボーカル、Mani Neumeierのドラムを加えることになり、それによってデビュー作の自給自足的な電子打楽器はいっそう際立つ。通常のロックの重量なしにリズミカルであり、受動的にならずに広々としているため、この曲順は今も影響力を持つ。「Hausmusik」は最も長く残る提案を示す。実験的な電子音楽も、日々の場所、手触り、共同の習慣へ根を下ろせるのだ。

題名上の注意

改題盤を別アルバムと取り違えない

1974年オリジナルLPBrain 1044。A面3曲、B面5曲。
1979年『Dino』再発盤『Musik von Harmonia』の改題盤であり、別のスタジオ・アルバムではない。
分類オリジナルの全曲が器楽曲である。

正規の曲順は「Watussi」で始まり「Hausmusik」で終わる。オリジナル盤の面替わりは「Sonnenschein」の後。全8曲の作曲者は同じ3人で、『Musik von Harmonia』と1979年の改題盤『Dino』は同一のアルバムである。

デビュー作の参加者にEno、Plank、Neumeierを加えてはならない。本作は1973年6月から11月にForstで録音され、1974年1月に発売された。オリジナル全編にボーカルはなく、インストゥルメンタル分類が適切だ。『Dino』を別作品として扱う版ではなく、全8曲の曲順を保つ版を選びたい。

おすすめの聴き方

3人が互いを変えていく過程を追う

  1. まず「Watussi」の脈動と、持続するギターの色彩との関係を聴く。
  2. 「Sehr kosmisch」を途中で切らず、奥行きの変化を追う。
  3. 「Sonnenschein」で、3人が共有語法を凝縮する方法を聴く。
  4. 「Dino」の前で、オリジナル盤の面替わりに合わせて一度止める。
  5. 「Dino」の滑走感と「Ohrwurm」の荒い反復を比べる。
  6. 「Ahoi!」を、むき出しの鍵盤のタッチが戻る曲として聴く。
  7. 最後に「Hausmusik」という題名をForstでの録音方法へ結び付ける。

調査資料

出典と参考資料