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クラシック・アルバムガイド

Hatfield and the North (1974)

Hatfield and the North・1974年・プログレッシブ・ロック/カンタベリー・シーン

1973年末にThe Manorで録音されたHatfield and the Northのデビュー作。カンタベリー系の4人編成にRobert Wyatt、Northettes、選び抜かれた管楽器奏者を加え、緊密につながる15曲を展開する。

1974年3月1日発売オリジナルLP全15曲The Manorで録音
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作品概要

ひと目で分かる要点

アーティスト
Hatfield and the North
発売
1974年3月1日
アルバム
スタジオ・デビュー作
オリジナル曲
15曲
レーベル
Virgin
プロデュース
Tom Newmanとバンド

重要性

宣言ではなく、つながりから組み立てたデビュー作

デビュー作はHatfieldを特徴づける逆説を確立した。精密に書かれていても形式張らず、ユーモアが音楽を組織しても単なる珍奇さにはならない。

15のトラック区分の下には、より連続した構造が隠れている。小品が長い曲を導入し、遮り、あるいは評するため、曲順そのものが第5の作曲者の声になる。

中核メンバー全員が作曲する。Stewartは長編の構築を担い、Millerは余白の多いギター習作を持ち込み、Pyleはリズムの継ぎ目を設計し、Sinclairは会話調の旋律を曲間の結合組織へ変える。

ゲストは全編を飾るのではなく、特定の瞬間を広げる。Wyattは「Calyx」を一変させ、NorthettesとGeoff Leighは編曲が求める箇所で音色を変える。

本作の価値は『The Rotters' Club』とは独立している。より粗削りな流れとスタジオでの遊びから、異なる来歴を持つ4人が共存する方法を発見していく姿が見える。

1973–74

Delivery、Caravan、Eggの人脈が一つの4人組になる

Richard SinclairはCaravanから参加し、Phil MillerとPip PyleはDeliveryでのルーツを共有していた。Dave StewartはEggと関連グループで育てた鍵盤語法を持ち込んだ。

固まった4人編成は1973年11月と12月にThe Manorで録音した。Tom Newmanがエンジニアを務め、Hatfieldsと共同プロデュースし、多数の短い形式を連続するLP体験へ変える作業を支えた。ゲスト陣は周囲のカンタベリー人脈を映す。Robert Wyatt、Geoff Leigh、Jeremy Baines、そしてBarbara Gaskin、Amanda Parsons、Ann Rosenthalである。

Virginは1974年3月1日、V2008として本作を発売した。LPの両面はそれぞれ、ごく短い枠組みの曲から、より大きなアンサンブル構造へ進む。

1974年のシングルと1975年のサンプラー向け演奏は後年の版へ追加された。同時期の音源ではあるが、オリジナル全15曲LPには含まれない。

バンドと客演

4人と、精密に選ばれた外部の声

Richard Sinclairベース、ボーカル、作曲/共同作曲
Phil Millerエレクトリック/アコースティック・ギター、作曲
Pip Pyleドラム、打楽器、効果音、作曲、作詞
Dave Stewartオルガン、エレクトリック/アコースティック・ピアノ、Pianet、トーン・ジェネレーター、作曲
Robert Wyatt「Calyx」の作詞、リード・ボーカル
Barbara Gaskin、Amanda Parsons、Ann RosenthalNorthettesのボーカル
Geoff Leigh、Jeremy Bainesサクソフォーン、フルート、pixiephoneの色彩
Tom Newmanエンジニアリング、共同プロデュース

Sinclairのベースが断片的な曲順へ旋律上の連続性を与える。控えめな歌い方によって、自己言及的な歌詞さえ気軽に差し出されたように聞こえる。

Millerは乾いて飽和しないギター音を使う。短いフレーズが前景全体を占領せずに和声の方向を変えられる。

Pyleは小節線を柔軟に扱う。拍子の複雑さをごまかさず、小品的な編集部と長い楽節をドラムで接続する。

Stewartのオルガンとエレクトリック・ピアノは、持続する和声の圧力と鋭いリズムの句読点という対照的な輪郭を与える。Wyattの壊れそうな「Calyx」の歌声は感情の温度を即座に変え、一人のゲストが2分の曲を作り替えられることを示す。Northettesは浮遊する器楽セクションのように働き、ありきたりなバック・コーラスの甘さではなく、音程と質感を加える。

サウンドと構築

連続する流れ、乾いた細部、突然変わる尺度

アルバムは動き続けるよう編集されている。終わりが始まりになり、スタジオの物音が転換となり、反復する断片がLP片面を通じた記憶を作る。

長い曲は小型の交響曲ではない。リズム隊の交渉、鍵盤のブロック、ゲストの色彩が連なる鎖だ。制作はベース、エレクトリック・ピアノ、ギターを鮮明に分離しており、3者が異なる細分リズムを示す場面には欠かせない。

声は歌、解説、音声的な質感の間を行き来する。音楽の外へ出ることなく、レコード自身の制作過程を語れる。

電子音は控えめに、しばしば滑稽に使われ、リード楽器とフルートが鍵盤中心の4人編成へ生音の対照を与える。B面は次第に歌ものらしさを開き、最後にStewartの対を成す作品がアルバムを長編構造へ引き戻す。

全曲ガイド

つながり合う全15曲

01

The Stubbs Effect

Pyleは数秒の音と中断で幕を開け、トラック境界が作曲上の道具になることを示す。この小品は序曲というより、スイッチを入れる動作に近い。

02

Big Jobs (Poo Poo Extract)

Sinclairは仮のものと承知した歓迎を歌い、Pyleの言葉がLPを始める行為へコメントする。短さによって、自己意識は弁解ではなく推進力へ変わる。

03

Going Up to People and Tinkling

Stewartは鍵盤主導の凝縮された機構を作り、素早い変化が人へ近づく社会的な動作を音楽化したように響く。ギターとリズム隊が、その精密さを軽やかに保つ。

04

Calyx

Millerの抑制された和声が、Wyattの言葉と一聴して分かる声へ壊れそうな足場を残す。周囲を取り巻くアルバムの皮肉によって、感情の直接性はいっそう強まる。

05

Son of There's No Place Like Homerton

Stewartによる最初の長い中心曲は、合唱の色彩、鍵盤、リード楽器、厳密に制御されたアンサンブル転換を通過する。一つの支配的主題ではなく、つながるエピソードによって規模を拡大する。

06

Aigrette

Millerは直前の密度へ短いギター習作で応える。空間、音色、一音ごとの減衰が作品の主張すべてになる。

07

Rifferama

Sinclairの反復素材が、共同編曲によってA面を閉じる。ベース、ギター、鍵盤がリフを共有物へ変え、そのアクセントを絶えず変化させる。

08

Fol de Rol

B面は声の遊びと凝縮された合奏の動きで始まり、A面の器楽的な終わりの後へ歌を戻す。ただし通常のヴァースの重さは採用しない。

09

Shaving Is Boring

Pyleは日常的な行為を長いリズム上の議論へ変える。反復が摩擦を蓄え、鍵盤とギターが一見頑固な前提の内側で新しい角度を見つける。

10

Licks for the Ladies

SinclairとPyleは、ハーモニー、しらふであること、音楽を作る不条理を評する、穏やかそうな歌を書く。コード変化が、落ちよりも正確に冗談を運ぶ。

11

Bossa Nochance

Sinclairはボサノヴァの脈動をほのめかしつつ、旋律と言葉の脱線で横道へ引く。4人があらゆるずれを制御しているからこそ、曲はくつろいで聞こえる。

12

Big Jobs No. 2

冒頭の呼びかけが姿を変えて戻り、セッションを支えた人々と機材へ感謝する。反復によってアルバム制作そのものが繰り返し登場する人物になる。

13

Lobster in Cleavage Probe

Stewartは超現実的な歌詞の像を、より大きな和声の上昇へ結び付ける。編曲は軟体動物の冗談を捨てず、遊び心ある細部から本物のアンサンブルの高揚へ進む。

14

Gigantic Land-Crabs in Earth Takeover Bid

より器楽的でリズムの強い続編が、B面を終幕へ押し進める。オルガンとギターの線が収束し、Pyleが不条理な題名へ実際の身体的効果を与える。

15

The Other Stubbs Effect

Pyleがもう一つの小さな効果音で回路を閉じる。その回帰は、アルバム最小の音が最大の構築物を縁取っていることを確認させる。

物語ではなく連想

音楽を作ることについての音楽

レコードに連続する筋書きはないが、自らの構築を繰り返し観察する。始まり、コード選択、スタジオ作業、聴き手への呼びかけが歌詞の素材になる。家庭的でばかばかしい像が、技術を英雄的な高みへ遠ざけない。「Big Jobs」やStubbsの効果音の回帰は、物語なしで曲順へ記憶を与える。

より深い主題はつながりだ。音、人、曲が、意外な境界を越えて友達になれるかを試す。

終盤のカニとロブスターの連なりはHatfieldの手法を最大規模で示す。不条理な言葉と本格的なアンサンブル構造が互いを打ち消さず、むしろ強め合う。

ゲートフォールド

連想的なアルバムのためのゲートフォールド・コラージュ

オリジナルのゲートフォールドは一曲を図解せず、コラージュ、写真、連想的な視覚の冗談を用いる。その密度はアルバム編集と一致する。ばらばらな物体が隣り合うことで意味を得るのだ。印刷された15の区分は作曲者の識別に役立つが、LPを再生すると多くの曲間にほとんど無音がないことが分かる。後年のボーナス曲は、ゲートフォールドが閉じた当時の回路を越えて同時期のアーカイヴを広げる。

Virgin V2008

Virginが新しい4人組へ一枚のLPを与える

Virginは1974年3月にデビュー作を発売し、新しい4人組へ本格的なゲートフォールド仕様を与えた。音楽はカンタベリー・シーンと人脈や歴史を共有しながら、Caravan、Egg、Matching Moleの複製には聞こえない。通常型のヒット曲がなくても難解というわけではなく、Sinclairの歌とレコードのユーモアが明確な入口を用意する。

当初の衝撃は、アンサンブル語法の説得力にあった。精密な作曲が温かく、くだけたまま、リズムの生命を保てた。第2作はこれらの方法を洗練し、分離していくため、デビュー作の連続的なスタジオの流れはいっそう独自に映る。

カンタベリーの設計図

2枚で成る語法の前半

本作は、一人の権威的な作曲家ではなく音楽家のネットワークとして響くため、カンタベリー・シーンの基礎的な参照作となった。「Calyx」はHatfieldとWyattの関係を特に明瞭に保存し、どちらの音楽的個性も消えないほど簡潔だ。Stewartの長編形式はNational Healthを予告し、Sinclairの旋律的ベースとPyleのリズムのユーモアは後の活動でも中心に残る。

15部から成る流れは、短いトラックの捉え方へ影響した。インデックスは完結した一曲ではなく、蝶番、冗談、呼吸を示すこともできる。『The Rotters' Club』と合わせて凝縮されたスタジオ・カタログを成すが、内部の違いが大きいため、2作を別々に扱う価値がある。

どの版を選ぶ?

ボーナス以前のオリジナル全15曲

1974年オリジナルLPLP両面に連なる全15曲。「The Other Stubbs Effect」で終了。
1980年CD1974年シングル「Let's Eat (Real Soon)」/「Fitter Stoke Has a Bath」を追加。
拡張再発盤シングルに加え、Virginのサンプラー曲「Your Majesty Is Like a Cream Donut」を追加。

オリジナル・アルバムとして聴くなら「The Other Stubbs Effect」で止める。シャッフル再生は避けたい。転換と回帰する小品も作曲の一部だからだ。ボーナス曲は貴重な同時期音源だが、オリジナルの15部構成を拡張するものではない。

中域の細部を保ち、MillerのギターとStewartの鍵盤が分離して聞こえる版を選びたい。続けて『The Rotters' Club』を聴けば、同じ4人が連続するコラージュを、より明確なLP両面の構造へ置き換える過程が分かる。

おすすめの聴き方

好きな曲より先に転換を追う

  1. まずトラック境界を見ずにLP各面を通して聴く。
  2. 次に各部分の作曲者を確認し、作者によってアンサンブルの均衡がどう変わるかに注目する。
  3. 回帰する「Big Jobs」とStubbs素材を構造上の句読点として追う。
  4. Wyattが単独で率いる「Calyx」と、ほかの曲でのNorthettesのアンサンブル・ボーカル役を比べる。
  5. 最後に「Lobster」から「Land-Crabs」への流れを追い、終端の小品が尺度を切り詰める様子を聴く。

調査資料

出典と参考資料

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