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クラシック・アルバムガイド

Even in the Quietest Moments

Supertramp · 1977年 · プログレッシブ・ロック/アート・ロック

Supertramp第5作。開放的なアコースティック・ポップ「Give a Little Bit」から11分の「Fool's Overture」までを収め、Caribou Ranchでの演奏にロサンゼルスで多重録音を施し、細部まで練り上げたミックスで結んだ。

1977年発売全7曲のオリジナルLPコロラドとロサンゼルスで録音
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作品

基本情報

アーティスト
Supertramp
発売
1977年4月
アルバム
スタジオ第5作
原盤曲数
7曲
プロデューサー
Supertramp
英国アルバム最高位
12位

重要な理由

親密さと長編形式が同じ開かれた空間を共有する

『Even in the Quietest Moments』では、一つの出来事から次の出来事までに異例の広い余白がある。12弦ギター、孤独なピアノ、小さな鍵盤フレーズから始まり、全員が入るまで待つことができる。静寂と余韻が、空白ではなく構成要素になる。

全7曲は大きく異なる規模を結びつける。「Give a Little Bit」は4分の率直な呼びかけ、「Downstream」はほぼDavies一人のピアノ演奏。「Fool's Overture」は11分近くをかけ、鐘、演説、鍵盤、バンド演奏、オーケストラの音色を巡る。

作者の均衡は保たれるが、曲数は同じではない。Roger Hodgsonが4曲、Rick Daviesが3曲を書いて歌う。精神的な探究や心を開いた呼びかけに、欲望、仕事、幻想へ根差した人物描写が繰り返し応えるよう、二人の視点が慎重に交互配置される。

本作では重要な技術的協力関係も始まる。Supertrampが制作し、Peter Hendersonが録音、Geoff Emerickがミックスを担当。Hendersonは後に『Breakfast in America』を共同制作するが、ここではアコースティックな細部と幅広い強弱に必要な空間を保ち、バンドを収録する役割を担った。

商業面では躍進を維持するだけでなく、さらに広げた。英国12位に達し、「Give a Little Bit」は国際的なヒットとなって、米国での地位をより確かなものにした。

1976〜77年

山中のセッションをロサンゼルスで完成・ミックス

録音はコロラド州Nederland近郊のCaribou Ranchと、ロサンゼルスのRecord Plantで行われた。山中という環境は、前2作で使ったロンドンやA&Mのスタジオとは異なる制作の空気を生んだ。

主要な録音は1976年から1977年初頭にかけて行われた。Caribouを中心に、歌、多重録音、仕上げをロサンゼルスまで継続。人里離れた環境は集中をもたらした一方、高地の条件は歌唱の実務にも影響した。

バンド自身がプロデューサー名義を持ち、Hendersonが録音技師、Tom Anderson、Tom Likes、Steve Smithが助手を務めた。Emerickがミックスを担当し、Andersonも再ミックス作業に関わった。

Michel ColombierとSupertrampがオーケストラ編曲を担当。オーケストラはアコースティック・ギター、リード楽器、ピアノ、電気鍵盤、リズム隊と並ぶ一つの音色として使われ、「Fool's Overture」で最も大きな役割を果たす。

当時の盤面ではDavies/Hodgsonの共同名義を保っていたが、曲の担当は明確だ。Hodgsonは「Give a Little Bit」、表題曲、「Babaji」「Fool's Overture」、Daviesは「Lover Boy」「Downstream」「From Now On」を作った。

A&Mは全7曲を1977年4月に発売。A面3曲、B面4曲という構成により、表題曲と終曲の双方へ十分な長さを与えている。

バンドとスタジオ・チーム

5人の演奏者、新たな録音技師、選択的なオーケストラ

Rick Daviesリード/バック・ヴォーカル、ピアノ、Wurlitzer、クラヴィネット、オルガン、シンセサイザー、メロディカ
Roger Hodgsonリード/バック・ヴォーカル、12弦/エレクトリック・ギター、ピアノ、鍵盤、シンセサイザー、足踏みオルガン
John Helliwellサックス、クラリネット、木管、バック・ヴォーカル
Dougie Thomsonベース・ギター
Bob Siebenbergドラム、打楽器
Michel Colombier、Supertramp管弦楽編曲
Peter Henderson録音エンジニア
Geoff Emerickミックス技師

Hodgsonは本作のアコースティックな明るさを主に担う。12弦ギターのアタックが冒頭曲に共同体的な動きを与え、ピアノ、シンセサイザー、足踏みオルガンによって「Fool's Overture」は彼の旋律的個性を失わずに規模を変える。

Daviesは節度をドラマにする。「Downstream」は独奏ピアノの重みと間だけで成立し、「Lover Boy」と「From Now On」ではWurlitzer、アコースティック・ピアノ、低い歌声によって細やかな社会的人物像を作る。

Helliwellは選び抜いた場面に入る。サックスは「From Now On」を公的な解放へ向け、クラリネットなどの管楽器は静かな編曲をソロの見せ場へ変えずに深みを加える。

Thomsonのベースは表題曲で特に重要だ。長く宙に浮くような構成を前へ運び、ドラムとギターが明白な強調を避ける静かな全員演奏にも旋律的な方向を与える。

Siebenbergは強弱そのものを作曲として扱う。シンバルの音色と遅れて入るフルセットが広々とした録音を守り、力強いスネアとタムが大曲へ勢いを蓄えさせる。

HendersonとEmerickはその差異を守った。録音はアタックと残響を捉え、ミックスは楽器を異なる距離へ配置する。私的な親密さと壮大な規模の緊張を軸にした本作には欠かせない。

サウンドと構築

Wurlitzer、リード楽器、リズム隊を包むアコースティックな空気

支配的な音は単なる静けさではなく、制御された開放感だ。アコースティック・ギター、ピアノ、声の余韻を残してから、ベース、ドラム、リード楽器が空間を満たす。編曲が重みを得る過程を耳で追える。

Wurlitzerの音色は依然として識別できるが、すべての曲を支配しない。「Give a Little Bit」と表題曲は12弦ギター、「Downstream」はアコースティック・ピアノが中心で、「Fool's Overture」では重ねた鍵盤が最も複雑になる。

山で録音したという背景は広いステレオ空間によく合うが、全曲が牧歌的なわけではない。「Lover Boy」は緊密な人物劇、「From Now On」は都会の労働者を描き、終曲では公共の歴史的な音を使う。

Hodgsonの高い声は周囲に空気を残してミックスされ、Daviesはより近く乾いて聞こえることが多い。その対照によって、楽器編成を極端に変えずとも二人の作者を交互に置ける。

オーケストラは常時鳴るのではなく、累積的に加わる。感情の転換や終盤組曲を大きくしながらも、ベース、ドラム、ギター、鍵盤は下で主体性を保つ。Colombierの仕事が5人編成を置き換えることはない。

LP両面は異なる軌道を描く。A面は与えることから操作、不確かな親密さへ進む。B面は探究から始まり、職場からの逃避幻想を経て、歴史と個人の責任をめぐる壮大な対峙で終わる。

全曲ガイド

Hodgson作4曲とDavies作3曲の対照

01

Give a Little Bit

Hodgsonの12弦ギターが開放的で、すぐに共有できる拍動を作る。歌詞は寛大さを相互の行為として示し、声と楽器を徐々に加える編曲もその考えを実演する。

ThomsonとSiebenbergはリズムを軽く保ち、アコースティック・ギターのアタックを中心に残す。後半のHelliwellによるリード楽器が、私的な誘いをより大きな共同体の身振りへ変える。

英国29位に達し、海外ではさらに大きな存在となった。親しみやすくてもアルバムから浮いてはいない。広い録音空間と徐々に加わる全員演奏は、本作全体を定義する。

02

Lover Boy

Daviesはピアノ、事情通らしい歌声、自信の裏にある演技を繰り返し暴く編曲によって、自称色男を作り上げる。

バンドは落ち着いた物語運びと、ギター主体の力強い場面を行き来する。Helliwellの演奏と集団の応答によって、その人物は孤独に語るのではなく、周囲から観察されているように聞こえる。

7分近い曲は、一つの冗談を繰り返すのではなく、音楽の変化によって人物を掘り下げる。全員演奏が大きくなるほど、威勢のよさは不確かなものになる。

03

Even in the Quietest Moments

12弦ギターが広く内省的な空間を開く。Hodgsonの歌声は、精神的とも感情的とも取れる、意味の定まらない存在へ語りかける。

Thomsonのベースが流れるような対旋律を奏で、静けさが停滞へ変わるのを防ぐ。鍵盤と抑えた打楽器が、切迫感をゆっくり高めていく。

したがって表題は平穏を約束しない。静かな瞬間にも憧れと要求があり、最後の拡大によって冒頭から潜んでいた圧力が姿を現す。

04

Downstream

DaviesはB面をほぼピアノ一台で始める。音数を削ったことで、指のタッチ、ペダル、声の質感、和音を置く間が編曲のすべてになる。

川下りは公の冒険ではなく、二人で思い描く親密な未来として機能する。Daviesは「Lover Boy」や後の「From Now On」で聞かせる防御的な人物像を避けている。

4分の規模が、表題曲のゆっくりした高まりの後でアルバムを整え直す。静けさは全員演奏のクライマックスへ向かわなくても、一曲を完結させられると示す。

05

Babaji

Hodgsonは精神的な師へ直接語りかけ、献身と疑念を鍵盤主体で上昇する曲へ変える。歌声は答えを手にしたと宣言せず、明晰さを繰り返し求める。

ピアノ、ギター、シンセサイザーが明るさを増し、リズム隊が探究を前進させる。瞑想的な題名が示す以上に切迫した編曲だ。

「Downstream」の後に置かれ、私的な同伴から精神的な嘆願へ場面を変える。目指す先は前曲の人間関係を越えたところにある。

06

From Now On

Daviesは疲れたピアノと日課の重みを帯びた歌声で、職場に縛られた人物を登場させる。幻想は反復労働から逃れる可能性を与える。

Helliwellのサックスが中盤を広げ、ThomsonとSiebenbergが諦めを次第に動きへ変える。人物が思い描く自由は、バンド全体が参加する公的な編曲になる。

最後の掛け合いは個人の不満を皆で歌える合唱へ変える。労働者の現実が変わらなくても、その解放感は音楽として十分に説得力がある。

07

Fool's Overture

11分の終曲は鐘と公共音のコラージュで始まり、Hodgsonのピアノが私的な旋律の中心を作る。歴史と個人の内省が、異なる距離から同じ枠へ入る。

シンセサイザー、足踏みオルガン、オーケストラが段階的に規模を広げる。反復するモチーフがコラージュを明瞭に保ち、リズム隊が宙づりの導入から全員演奏の推進力への移行を制御する。

演説の断片と戦時の連想が英国史の空気を作るが、曲を一本道のドキュメンタリーにはしない。出来事が過ぎた後、勇気、記憶、傍観はどう評価されるのかを歌詞が問う。

Hodgsonの歌声は、オーケストラと電子音が広がる中でも人間的な糸であり続ける。Helliwell、Thomson、Siebenbergが中心部を、テープ・コラージュの伴奏ではなくバンド音楽として成立させる。

終曲は本作の中心的な手法を集約する。聞き取れる余白から始め、探究する声を置き、細部を積み上げ、その壮大さが答えを与えるのかを試す。

一つの物語ではない

与えること、探すこと、逃れることは別々の旅

『Even in the Quietest Moments』は一つの精神的な物語ではない。7曲には共同体への誘い、色男、親密な川下り、精神的な師、閉じ込められた労働者、歴史への瞑想が別々に描かれる。

Hodgsonの短い曲々では、与えることと受け取ることが軸になる。「Give a Little Bit」は交換を提案し、表題曲は沈黙を越えた接触を求め、「Babaji」は精神的な人物へ導きを請う。

Daviesは社会的な振る舞いに根差した人物を書く。「Lover Boy」は自信を演じ、「Downstream」は皮肉なしに二人の未来を想像し、「From Now On」は職場の不満を幻想へ変える。

B面では逃避の意味が変化する。川は二人で進む道を示し、献身は内面の方向を探し、会社員は日課の外を夢見る。「Fool's Overture」は歴史的危機に傍観以上の行為で向き合えるのかを問う。

アルバムの統一性は余白と積み重ねから生まれる。各曲は静かな枠へ何が入るのかを試す。寛大さ、虚栄、愛、信仰、幻想、公の記憶である。

雪の中のピアノ

新雪をかぶり山中で待つグランド・ピアノ

表ジャケットには、コロラドでのセッション近くの山岳風景を背に、雪をかぶった本物のグランド・ピアノと椅子が写る。描かれた幻想ではなく、屋外に楽器を置き、降雪後に撮影したものだ。

Mike Doudがアート・ディレクションを担当し、Kenneth McGowanとBob Seidemannが写真家として記載された。題名を文字どおりの光景にしながら、物理的にはありそうもない印象を残す。

ピアノの上には「Fool's Overture」の楽譜が置かれている。静かな表面を本作で最も複雑な曲へ結びつけるが、アルバム全体を一つの序曲だとは示さない。

ジャケットは、作り込まれた楽器と開かれた環境の緊張を捉える。演奏会の道具が冷気の中で使えないまま視覚的に雄弁に立ち、本作が静けさの中へ繰り返し圧力を見いだす姿と重なる。

より広い聴衆

「Give a Little Bit」が米国での広がりを加速

1977年4月に英国チャートへ入り、最高12位、22週チャート入り。『Crisis? What Crisis?』の最高位を上回り、『Breakfast in America』前の強固な足場を築いた。

「Give a Little Bit」は英国29位。北米でさらに大きな反響を得て、アルバムをSupertramp初の米国ゴールド認定スタジオ作へ導いた。

表題曲と「Fool's Overture」はアルバム志向のラジオにも適し、簡潔なアコースティック・シングルと広々とした長編リスニング体験という二つの顔を与えた。

批評は旋律と雰囲気への称賛と、精神的/大規模な素材への苛立ちに分かれることが多い。有用なのは曲ごとの区別だ。「Downstream」の節度と「Fool's Overture」のコラージュは、正反対の形式的目標を追っている。

成功によって、バンドが自己制作できることと、Hendersonとの協力関係の始まりが確認された。その技術的連続性は2年後に大きな意味を持つ。

過渡期の頂点

躍進作と大ヒット作を結ぶ橋

「Give a Little Bit」はSupertrampで最も広く知られる曲の一つとなり、「Fool's Overture」はHodgsonの主要なコンサート曲であり続けた。どちらか一方ではなく、両者の共存こそ本作の幅を正確に示す。

「From Now On」はDaviesに新たな長命の人物歌を与え、終盤のリフレインは大観衆にもよく合った。「Downstream」は反対の極、つまり声とピアノだけで華美を必要としない世界を守った。

本作は『Crime of the Century』と『Breakfast in America』を最も明確に結ぶ橋だ。長い形式、オーケストラ、哲学的な規模を保ちながら、アコースティックなフックと録音の明瞭さを研ぎ澄ませた。

Hendersonによる最初のSupertramp録音技術クレジットは、『Breakfast in America』以後まで続く制作の流れを始めた。その関係は後作の密な磨き込みではなく、空間と強弱から始まる。

したがって本作の遺産は配分の巧みさにある。7曲の中へヒット、独奏バラード、2つの人物劇、2つの精神的な呼びかけ、11分の終曲を収めながら、どの様式もバンド唯一の顔にはしない。

どの版を選ぶか

7曲の規模と完全な装丁を守る

オリジナル7曲LPA面3曲、B面4曲を収める完全な43分の曲順。
2002年A&Mリマスター原装丁、歌詞、クレジット、内袋のバンド写真を完全に復元。
後年のライヴ録音長編曲の比較には有用だが、スタジオ盤の代わりにはならない。

まず原盤7曲を聴き、「Downstream」前の面替わりを保つ。独奏ピアノで整え直す瞬間は、アルバム全体の歩調の一部だ。

2002年A&Mリマスターにはスタジオのボーナス曲がない。主な資料価値は、一部の初期CDで省かれた装丁、歌詞、クレジット、バンド写真を復元した点にある。

表題曲でベースの明瞭さとアコースティック・ギター周囲の空間を確かめる。静かな場面にも動きを残し、残響を空虚にしていない版が望ましい。

「Fool's Overture」には十分な強弱の余裕が必要だ。鐘、演説のコラージュ、ピアノ、オーケストラ、全員演奏は、クライマックスまで異なる距離を保たなければならない。

ライヴ版では終曲を拡張したり、楽器の比重を変えたりすることがある。演奏上の変化を1977年の原型と取り違えないよう、先にスタジオ編曲を聴く。

聴き方の道筋

アコースティックな誘いから歴史的コラージュへ

  1. 最初の一聴: アコースティックな誘いから歴史的終曲まで、LP全7曲をたどる。
  2. 作者を追う: Hodgsonの探究する曲とDaviesの現実的な人物歌を交互に聴く。
  3. 空間を追う: 各編曲が重みを加えるまで、どれほど待つかに注目。
  4. 鍵盤を追う: 独奏ピアノ、Wurlitzer、シンセサイザー、足踏みオルガンの役割を聞き分ける。
  5. ジャケットへ戻る: 静けさと物理的なありえなさが、本作の空気をどう形作るかを聴く。

調査資料

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