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クラシック・アルバムガイド

On the Road

Traffic · 1973年 · サイケデリック・ロック/ジャズ・ロック

Islandから1973年10月に発売された『On the Road』は、Trafficの英国盤6曲入り2枚組ライヴ・アルバム。ドイツで録音され、Steve Winwood、Jim Capaldi、Chris Wood、David Hood、Roger Hawkins、Reebop Kwaku Baah、Barry Beckettの7人が、3作のスタジオ・アルバムから選んだ曲を拡張している。

1973年10月発売英国盤6曲入り2枚組ライヴ作ドイツ録音
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作品

基本情報

アーティスト
Traffic
発売
1973年10月
アルバム
Traffic公式ライヴ第2作
英国原盤曲数
6曲
レーベル
Island
編成
7人編成

重要な理由

拡大したリズム/鍵盤編成によるTrafficを、本格的なライヴ作品として残した一枚。

『On the Road』が記録するのは単なる代表曲集ではなく、『Shoot Out at the Fantasy Factory』をめぐって生まれた特定の編成である。Hood、Hawkins、Beckettの参加はTrafficの楽曲の動き方そのものを変えた。

英国盤2枚組は、『The Low Spark of High Heeled Boys』と『Tragic Magic』の長尺演奏を含む全6曲を収録する。米国短縮版は2曲を削ったため、コンサート像まで異なる。

『Glad』と『Freedom Rider』は約20分の冒頭組曲になる。広がりを生むのは単独の長いギター・ソロではなく、鍵盤の応酬、Woodの管楽器、忍耐強いリズム隊、曲間の移行である。

1973年の同じ編成を通して、Trafficの3時期を比較できる。『John Barleycorn』期、『Low Spark』期、そして当時最新の『Shoot Out』期である。

公式ライヴ第2作として、本作は人員と規模の両面で『Welcome to the Canteen』と異なる。同一視すれば、Trafficのツアー・サウンドが短期間に遂げた変化を消してしまう。

本作は、緻密に分離されたスタジオ・ミックスの外で楽曲がどう成立するかも試す。オルガン、ピアノ、サックス、ベース、3層のリズムが同じ舞台空間を占めるため、音域と間合いによって明瞭さを作らねばならない。

英国版ではWoodに器楽的な中心が与えられ、バンド屈指の長尺曲が終曲へ戻る。どちらも単なる追加曲ではなく、構成上の役割を持つ。

ドイツ、1973年

Jamaica録音の編成が欧州の舞台へ

『Shoot Out at the Fantasy Factory』をJamaicaで完成させた後、Trafficはそのセッションの中核に鍵盤奏者Barry Beckettを加えてツアーへ出た。

7人編成はWinwood、Capaldi、Wood、Hood、Hawkins、Kwaku Baah、Beckettで構成され、Traffic史上もっとも大規模な公式ステージ編成の一つとなった。

録音は1973年4月にドイツで行われた。アルバムは一夜の完全な未編集公演ではなく、長尺演奏6曲を選んで構成している。

選曲は『John Barleycorn Must Die』と『The Low Spark of High Heeled Boys』まで遡りながら、『Shoot Out』から3曲を前面に出す。

Islandは英国盤を2枚組LPとして構成した。United Artistsの米国盤は、番号付き4演奏だけを収めた短縮1枚組である。

『On the Road』は1973年10月、『Shoot Out』とTraffic最後の1970年代スタジオ作『When the Eagle Flies』の間に発売された。

4面構成は6曲を均等に分けない。長尺演奏が盤面の大半を占め、レコードを返す動作と休止によって注意の流れを整える。

米国版の編集は別録音ではなく、市場ごとの判断だった。そのため同じ作品名でも地域によって収録曲が実質的に異なる。

拡大編成のTrafficライヴ

7人、2つの鍵盤中枢、重層的なリズム

Steve Winwoodリード・ヴォーカル、オルガン、ピアノ、ギター
Jim Capaldiドラム、打楽器、ヴォーカル
Chris Woodフルート、サックス
David Hoodベース
Roger Hawkinsドラム
Reebop Kwaku Baah打楽器
Barry Beckettキーボード

Beckettが第2の鍵盤基盤を担うため、Winwoodは和声の中心を空けずにオルガン、ピアノ、ギターを持ち替えられる。

CapaldiとHawkinsはドラムの役割を分担し、ときに重ねる。Kwaku Baahは独立した打楽器層を作り、単純な二重化ではないリズムの奥行きを生む。

Hoodは反復するベース音型で長い形式を支え、上声部が伸びても和声の方向を失わせない。

Woodのフルートとサックスはしばしば移行の合図になる。管楽器の登場だけで、正式なコード変化より先に強度や音域が切り替わる。

Beckettの存在は重要だが、このツアー固有である。彼の役割を『John Barleycorn』期の3人編成へ遡って当てはめてはならない。

ライヴ・バンドは集団的な忍耐で進む。ソロは重要だが、伴奏も密度の小さな変化を重ね、絶えずその方向を修正する。

BeckettはWinwoodをギターへ解放するだけではない。2人の鍵盤奏者が持続するオルガン、打楽器的なピアノ、和声の補足を分担し、グルーヴを止めずに音色を変える。

Hawkinsが厳密なドラム基盤を作り、Capaldiは補強、応答、打楽器への移行を担う。Kwaku Baahはその格子の上に色を足すだけでなく、内部を横切って動く。

Woodとリズム隊の距離感もミックスの一部になる。フルートとサックスは明るい線、あるいはざらついた線として入り、混み合う中音域を組み替える。

コンサートの構築

長さと移行によって開き直されるスタジオ曲

コンサートの音はスタジオ作より温かく、分離も少ない。鍵盤は重なり、打楽器が広い場を占め、Woodの管楽器は音域の違いで抜けてくる。

『Glad/Freedom Rider』は元の連結を出発点に、ピアノ、オルガン、サックスの応酬を延ばし、2曲を一つの大きな楽章へ変える。『Tragic Magic』は反復する管楽器句と露出したリズム基盤によりスタジオ版以上へ広がる。『Sometimes I Feel So Uninspired』は私的な告白を長い公的解放へ変え、Winwoodの歌の後も器楽が粘り強く続く。

『Light Up or Leave Me Alone』ではCapaldiの荒い主唱が保たれ、大編成が直接的な要求を10分のグルーヴへ広げる。英国盤を閉じる『Low Spark』表題曲は、スタジオ版より長く、鍵盤、サックス、リズムの均衡も異なる。

観客音は公開演奏の場を示すが、音像を支配しない。固定した客席位置の再現より、アンサンブル内部の動きを読み取れるようにミックスされている。

もっとも大きく編曲し直されたのは古い『Glad/Freedom Rider』である。新しいベーシスト、追加ドラマー、打楽器奏者、第2鍵盤奏者が、3人編成時代の構築をオーケストラなしの重層的な大編成グルーヴへ変える。

『Shoot Out』の2曲は当時のスタジオ・バンドの語法に近く、ライヴでの変化はより細やかだ。長い移行、粗い輪郭、歌と器楽の間に生まれる強い呼吸感が特徴となる。

全曲ガイド

英国盤LP4面にわたる6演奏

01

Glad / Freedom Rider

冒頭メドレーは1970年の連結を約20分へ伸ばす。『Glad』のピアノ音型がWinwoodとBeckettの足場となり、Woodの管楽器が『Freedom Rider』への移行を導く。Hood、2人のドラマー、Kwaku Baahが、拡張を散漫でなく方向性あるものにする。

02

Tragic Magic

Woodの楽曲には『Shoot Out』のスタジオ版以上の舞台空間が与えられる。フルートとサックスが旋律の論旨を担い、主唱を必要とせず圧力を変えるリズム隊が支える。

03

(Sometimes I Feel So) Uninspired

Winwoodによる創作疲労の告白は、ギターと鍵盤の展開へ開かれる。ライヴ版では、歌詞が困難を名指した後も演奏を続けることで、忍耐が集団の行為になる。

04

Shoot Out at the Fantasy Factory

スタジオ版のリフは、長尺曲の間をつなぐ引き締まった蝶番になる。HoodとHawkinsが機械的な脈を正確に保ち、打楽器とオルガンが輪郭を荒らす。

05

Light Up or Leave Me Alone

Capaldiが主唱を取り、『Low Spark』で聞かれた鋭い個性を戻す。7人編成は歌の要求を弱めず、ドラム、コンガ、鍵盤の応酬でグルーヴを引き延ばす。

06

The Low Spark of High Heeled Boys

英国盤の終曲はエレクトリック・ピアノの音型をコンサート規模で再訪する。BeckettとWinwoodが鍵盤の場を広げ、Woodのサックスが長い弧の強度を変え、リズム隊が曲を定義する忍耐強い緊張を保つ。

6つの再解釈

自由、労働、疲労、続けるという行為

新しい物語概念はなく、既存曲を一つのツアー編成が解釈し直すことで統一される。自由は運動として追われるが、労働、搾取、疲労の構造に繰り返しぶつかる。幻想は娯楽産業、創作労働、公の場で演奏者へ課される要求として現れる。

長い演奏時間は、続ける行為そのものを聞こえるものにする。歌詞や中心音型が終わった後も、演奏者はどう注意を持続させるか選び続ける。

したがって『On the Road』は題名であると同時に状態でもある。曲はスタジオ内の固定物でなく、働くアンサンブルが維持するものとして示される。

曲順は自由の約束から創作疲労、産業的幻想、対決、妥協した華やかさへ進み、旅を次第に仕事のように感じさせる。

器楽の長さは共同性も作る。誰も一人では形式を維持できず、長い一節ごとに他者が共有の脈を守るか揺さぶる必要がある。

Island ISLD 2

2枚組の規模で提示された旅の記録

英国盤2枚組は6つの長尺演奏へ4面を与え、その規模を保つ。旅の図像はツアー記録を示すが、一夜の正確な曲順とは主張しない。米国1枚組は外見が近くても『Tragic Magic』と『Low Spark』を欠くため、曲数の確認が不可欠である。後年CDは英国6曲構成を戻すことが多いが、題名だけで判断してはならない。

1973年10月

Island、1973年10月

Islandは1973年10月、英国で『On the Road』を6曲入り2枚組ライヴ作として発売した。米国盤は1枚4曲へ短縮され、編集上まったく異なる選択になった。全米Top 30入りは、Trafficが北米で確立していたコンサート人気を示す。

当時も後世も長さへの評価は分かれるが、英国版と米国版が同じコンサート像を示さないことも差を生む。録音は演奏を記録する一方、無加工の公演資料ではなく編集されたアルバム選集である。

『Tragic Magic』を除けばWood唯一の単独器楽中心が失われる。『Low Spark』を除けば、忍耐強い幻滅からCapaldiの直接的な要求へ終結の論旨まで変わる。

したがって英国2枚組は、米国1枚組も同時代の公式盤ではあるものの、7人編成をより完全に伝える歴史資料である。

舞台上のTraffic

後期Trafficの舞台をもっとも広く捉えた公式記録

『On the Road』はHood、Hawkins、Beckettを含むツアー編成の主要な公式記録であり続ける。『Glad/Freedom Rider』は一人の見せ場でなく集団の応酬で連結曲を拡張できたことを示す。英国盤『Low Spark』は、電子音と空間をより統制したスタジオ版との貴重な比較対象となる。Capaldiの『Light Up or Leave Me Alone』はWinwood中心の曲順に声の複数性を保つ。

本作の遺産は6曲構成を回復してこそ理解できる。米国短縮版はWoodを過小に示し、主要な終曲も除く。Barry Beckettは英国人の作曲中核、Muscle Shoalsの奏者、Jamaica録音期を一つのツアー・バンドで結ぶ。後年の公演資料には個別日程がより明瞭なものもあるが、本作は当時バンドとlabelが公式目録へ置いた選集である。最良の瞬間には、馴染み深い音型を保ちながら人員、長さ、会場音響によって新作を築く、継続的な編曲の実践が聞こえる。

構成版ガイド

英国6曲版と短縮米国4曲版

『The Low Spark of High Heeled Boys』で終わる全6演奏。
『Tragic Magic』と『Low Spark』を除く全4曲。
通常は英国6曲programmeを復元。

完全な原盤案内には英国6曲順を使う。米国4曲版を単なる短いプレスと呼ばない。選曲の均衡自体が異なる。ドイツ公演からの選集として扱い、一夜の連続記録とは見なさない。各ライヴの弧を中断せず聴いた後でスタジオ版と比べる。

良質なマスターはHoodのベース、別々の鍵盤音域、3層のリズムを保つ。英国2枚組が要求する面単位の休止も尊重する。後年のarchive公演を1973年盤へ混ぜない。

4曲しかない盤は、英国2枚組の不完全な複製でなく米国1枚組構成と特定する。『Low Spark』前の物理的/仮想的な休止を認める。同曲は『Light Up or Leave Me Alone』後のbonusではなく最終面である。公演版とスタジオ版は同じ演奏時間やsolo順を期待せず、音型、人員、強弱設計で比べる。

聴き進め方

soloだけでなくensembleを追う

  1. 『Glad/Freedom Rider』の移行全体を追う。
  2. 『Tragic Magic』をWoodの旋律的中心として聴く。
  3. 『Shoot Out』由来の2曲で、告白と産業的な推進を比べる。
  4. Capaldiの主唱で後半の感触を切り替える。
  5. 英国曲順どおり『Low Spark』で終える。

調査記録

出典と参考資料

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