作品
基本情報
- アーティスト
- The Incredible String Band
- 発売
- 1969年11月
- アルバム
- スタジオ第5作
- オリジナル収録曲
- 6曲
- レーベル
- Elektra EKS-74057
- プロデューサー
- Joe Boyd
重要な理由
広がり続けた仲間が、ジャケット上でもバンドになった瞬間
『Changing Horses』は、The Incredible String Bandが段階的に増やしてきた人員を明確な4人のアイデンティティへ変えた。Licorice McKechnieとRose Simpsonは偶発的なゲストではない。2人はアルバム全体でクレジットされ、表ジャケットには4人全員が並ぶ。全6曲という設計は、前作の全18曲2枚組と根本的に異なり、LP各面を約15分の1曲を軸にまとめる。「White Bird」と「Creation」は長さを異なる方法で使う。Heronの曲は歌の各節とアンサンブルの色彩を広げ、Williamsonの終曲は声と楽器が変転する挿話の連なりから宇宙創成へ近づく。
エレクトリック・ギター、Hammondオルガン、ベース、ゲストの鍵盤が加わっても、フルート、サーランギー、Chinese banjo、ギンブリ、ヴァイオリン、シタール、マンドリン、ハンド・パーカッションを置き換えはしない。したがって本作が記録する変化は、アコースティック・フォークからエレクトリック・ロックへの単純な転換ではなく、均衡の組み直しだ。英国最高30位は、1968年の前作群ほど即座に称賛されなくなってもチャートの聴衆を保ったことを示す。4人組を正式な形にし、1970年のより共同的な舞台作品とレコード企画を準備した、蝶番となるアルバムである。
London、1969年
2枚組の後、全6曲へ規模を組み替える
1967〜68年のアルバム群は、The Incredible String BandをEdinburghのフォーク・トリオの名から、WilliamsonとHeronのますます開かれた作曲を担う器へ変えた。McKechnieはまず選ばれた曲の歌手兼打楽器奏者として聞こえるようになり、Simpsonは『Wee Tam and the Big Huge』全体で録音アンサンブルへ参加した。その2枚組は全18曲・4面を使い、小さな歌、長い瞑想曲、膨大な楽器語彙を収めていた。1969年夏、グループはJoe Boydをプロデューサー、John WoodをエンジニアとしてSound Techniquesへ戻った。
『Changing Horses』は曲数を6曲へ減らす一方、McKechnieとSimpsonを正式にクレジットされたグループの響きへ組み込んだ。Dr. Strangely StrangeのIvan Pawleが「Creation」にオルガンとピアノ、Walter Grundyが「Big Ted」にハーモニカを加えた。Elektraはアルバムに先立ち、編集版「Big Ted」を「All Writ Down」と組み合わせて英国シングルとして発売。本作は1969年11月、カタログ番号EKS-74057で続いた。
4人組の成立
4人のメンバー、2人のゲスト、厳密に割り当てられた楽器
Williamsonは「Big Ted」「Mr. & Mrs.」「Creation」を単独で書き、「Dust Be Diamonds」をHeronと共作したため、4曲で主要な歌唱を担う。楽器の配分は曲ごとに明確で、「Big Ted」をピアノとウォッシュボードが形づくり、「White Bird」のアンサンブルにフルート、サーランギー、Chinese banjoが入り、ギンブリとヴァイオリンが「Creation」を特徴づける。Heronは「White Bird」を書いて歌い、「Sleepers, Awake!」も作曲。「Dust Be Diamonds」の共同名義によって、アルバムは2人の作品集へ単純に二分されない。McKechnieのオルガン、ギター、カズー、打楽器、複数の声は全編へ統合され、その役割はバック・ボーカルという呼び名だけでは捉えきれない。
Simpsonのベースは従来作より連続した低音域を4人組へ与え、歌声と打楽器はその機能を越えてグループ音響を広げる。Pawleは終曲だけに参加し、常設メンバーとなるのではなく「Creation」へ鍵盤の重量を加えた。Grundyのハーモニカも同様に「Big Ted」限定で、アルバム全体へ一般化すべきではない。BoydとWoodは増幅音とアコースティック音の均衡を取り、エレクトリック・ギターとHammondを従来美学の代替ではなく追加の色彩として響かせた。
変わり続ける音色
アコースティックと歌声の語法に差し込む電気的なアクセント
「Big Ted」はWilliamsonの人物歌を中心に、ピアノ、ウォッシュボード、エレクトリック・ギター、ハーモニカで始まり、より明確な集団演奏を打ち出す。続く「White Bird」はA面の大半を占め、Heronのリード・ボーカルとアコースティック・ギターを軸に、フルート、サーランギー、Chinese banjo、オルガン、グループの歌声が入れ替わるアンサンブルとして展開する。「Dust Be Diamonds」は共同作曲をエレクトリック・ギター、Hammondオルガン、ヴィブラフォン、カズーの色彩へ凝縮して面を閉じる。
アルバム最短曲「Sleepers, Awake!」がB面を開き、その簡潔な注意喚起によってA面の長い広がりの後をリセットする。
「Mr. & Mrs.」は家庭内のパートナー関係を演劇的な場面にし、Williamsonのエレクトリック・ギターとMcKechnieのオルガンが対照的な歌声を支える。「Creation」は16分をかけ、ギンブリ、シタール、マンドリン、打楽器からヴァイオリンと鍵盤の挿話へ拡大する。2曲の長編は交換可能ではない。「White Bird」が歌をA面いっぱいに伸ばすのに対し、「Creation」は意図的な終結部として機能する。全6曲を通じ、反復には音色の受け渡しが句読点のように挟まれ、4人が楽器の役割を変えること自体が主要な編曲手法となる。
全曲ガイド
6曲:二つの長い旅と四つの釣り合い
Big Ted
Williamsonは宇宙的な抽象ではなく、名前を持つ人物から始める。ピアノ、ウォッシュボード、エレクトリック・ギター、Grundyのハーモニカが、土臭く動きのある肖像を描く。後発のシングル編集版の存在は、アルバム演奏のほうが広がりを持つオリジナルだったことを裏付ける。
White Bird
Heronによる14分の中心曲がA面の大半を占める。反復する歌唱素材がフルート、サーランギー、Chinese banjo、オルガン、共有される歌声を通過し、鳥を器楽ソロの口実ではなく、アンサンブルの視点が変わる軸にする。
Dust Be Diamonds
唯一の共作曲がA面を閉じる。エレクトリック・ギター、Hammond、ヴィブラフォン、カズーは題名が命じる物質の変容を明るく凝縮した質感へ変え、「White Bird」の長い展開後に協働を圧縮する。
Sleepers, Awake!
Heronの最短曲が命令形でB面を開く。簡潔な形は敷居として働き、後に続く家庭の場面と長い創造の連なりを前に、注意をもう一度呼び覚ます。
Mr. & Mrs.
Williamsonは対になった社会的な題名をB面中央に置く。エレクトリック・ギター、オルガン、打楽器、複数の声が関係を対話と演技へ変え、日常的なパートナー関係へ鳥や宇宙論と同じだけの想像空間を与える。
Creation
Williamsonによる16分の終曲は、創造を一度きりの物語上の出来事ではなく過程として扱う。ギンブリ、シタール、マンドリン、ヴァイオリン、打楽器、Pawleの鍵盤が組み合わせを変えながら入り、自らの規模を絶えず作り直してアルバムを閉じる。
六つの別世界
生き物、パートナー関係、目覚め、世界の創造
『Changing Horses』は統一されたコンセプト・アルバムではない。その代わり六つの題名が、存在、物質、社会的関係、目覚め、起源の連なりをつくる。「Big Ted」と「White Bird」は名を持つ生命から始まり、一方は個別的で地に足が着き、もう一方は長い時間を与えられて変化する知覚の場となる。「Dust Be Diamonds」は変容を言葉による命令として示し、ありふれた物質を想像上の輝きへ結び付ける。
「Sleepers, Awake!」は聴く行為を、面と面の間の受動的な移行ではなく能動的な状態へ変える。
「Mr. & Mrs.」は規模を二人へ戻し、家庭の関係を理想化せず複雑なまま保つ。続く「Creation」は人と生き物から世界の創造へ広がるが、変化し続ける各部は一つの固定した神学的要約を拒む。アルバム名は人員と音楽の動きを的確に表すものの、6曲共通の筋書きは与えない。最も深い連続性は変容にある。楽器、声、長さ、視点が繰り返し機能を交換する。
Elektra 74057
Janet Shankmanの樹上写真に集う4人の演奏家
『Changing Horses』はElektraのカタログ番号EKS-74057、ゲートフォールド・ジャケットで発売された。Janet Shankmanによる表面写真では、Williamson、Heron、McKechnie、Simpsonが木の上に一緒に収まる。この4人の像が重要なのは、主要作家2人だけでなく、拡大したアンサンブルそのものを公にバンドとして提示するからだ。
ジャケット・デザインはWilliam S. Harveyとクレジットされている。
裏ジャケットには「Creation」の歌詞と各曲のクレジットを掲載。ゲートフォールド内にはWilliamsonとHeronのアートワークが収められ、全6曲を個人別の二つの面へ分けずに、主要作家2人の視覚的な寄与を統合している。
英国チャートに1週間ランクイン
英国30位、短いチャート滞在
Elektraは1969年11月に『Changing Horses』を発売した。編集版「Big Ted」は同年10月、「All Writ Down」をB面として英国シングルで先行したが、シングル・チャートには入らなかった。アルバムは英国アルバム・チャート30位へ達し、1週間ランクインした。
米国ではBillboardアルバム・チャート166位に到達した。この順位は継続する訴求力を示す一方、英国でのチャート滞在は『The Hangman's Beautiful Daughter』より短い。後年の批評はしばしば本作を高く評価される1968年作品群より一貫性に欠けると見なす一方、「White Bird」と「Creation」の規模を特筆してきた。
第5作
1968年を繰り返さない過渡期の作品
『Changing Horses』は前作2枚組の再現に失敗した作品ではなく、独自の全6曲構造を持つ過渡期のアルバムとして理解すべきだ。ジャケットとクレジットはMcKechnieとSimpsonを、バンドの公的・音楽的アイデンティティの一部として確立する。「White Bird」と「Creation」は、『Wee Tam and the Big Huge』よりはるかに凝縮された二つの軸によるLP構造を育てる。エレクトリック・ギター、Hammond、ベースは、初期カタログを特徴づけたアコースティック楽器を消さず、より広いグループ語法を予告する。
ゲストの役割は厳密に限られる。Grundyが冒頭の質感を、Pawleが終曲を変えるが、どちらも常設メンバーと誤解されることはない。批評上の評価が一様でないからこそ、受け継がれた順位より精密な聴取が役立つ。長編2曲は異なる手法を同時に示し、Heronが中心イメージを持続させる一方、Williamsonは変容が連なる終結部を構築する。1970年の4人組期へ渡る橋として、変化が一つの再現可能な様式へ固まる前の状態を記録した。
オリジナル構成
各面3曲のオリジナル構成を守る
オリジナル・アルバムは全6曲。LP各面に3曲ずつ収録される。「Dust Be Diamonds」がA面を閉じ、「Creation」が16分のオリジナル終曲となる。
「Big Ted」のアルバム版は同時期のシングル編集版より長い。「Dust Be Diamonds」はHeronとWilliamsonの共同名義。Pawleは「Creation」のみ、Grundyは「Big Ted」のみに参加する。
聴き方の道筋
White BirdとCreationを両面それぞれの地平として聴く
- 「Big Ted」の簡潔な人物アンサンブルから入る。
- 「White Bird」をA面いっぱいの長さで受け止める。
- 「Dust Be Diamonds」が協働を明るい電気的色彩へ凝縮する様を聴く。
- 短い目覚めの呼び声から再開する。
- 「Mr. & Mrs.」で規模を人間同士の関係へ戻す。
- 「Creation」を完全な16分の終結として聴く。
- 長さだけでなく構造から二つの長編を比較する。
調査経路
出典と参考資料
- 公式デジタル版の全6曲構成 — Apple Music/Elektra
- オリジナルのカタログ番号、面構成、作家、制作 — Elektra Records Master Discography
- 曲目、クレジット、回顧的評価 — AllMusic
- オリジナル発売記録と全6曲の曲順 — MusicBrainz
- オリジナルの面分けとカタログ詳細 — 45worlds/45cat
- 英国公式チャート履歴 — Official Charts Company
- 米国アルバム・チャート履歴 — Billboard
- Sound Techniquesのアルバム・アーカイヴ — Sound Techniques