作品
基本情報
- アーティスト
- Supertramp
- 発売
- 1975年
- アルバム
- スタジオ第4作
- 原盤曲数
- 10曲
- プロデューサー
- Supertramp、Ken Scott
- 英国アルバム最高位
- 20位
重要な理由
重圧下の次作が躍進の奥にある深みを明かす
『Crisis? What Crisis?』の重要性は、『Crime of the Century』のサウンドが8曲だけの奇跡だったのか、それともバンド自身のものだったのかを試した点にある。制作時期の異なる10曲を、黄金期の5人が共通の楽器的個性で一つの作品にまとめ上げた。
長期ツアーの直後で、完全な新作1枚分が書き上がる前にセッションが始まった。旧作を新曲と並べて再検討したため、一時期の創作だけを切り取った作品ではない。統一感は作曲時期ではなく、演奏と制作から生まれている。
Roger Hodgsonが6曲、Rick Daviesが4曲で中心的な作者と主唱を務める。Hodgsonの明るいアコースティック・サウンドと精神的/恋愛的な問いが、Daviesのブルース色の人物描写、社会観察、暗いユーモアと交互に現れる。
Ken ScottとSupertrampは制作上の協力関係を継続したが、前作ほど孤立した効果音の演出に支配されてはいない。Wurlitzer、リード楽器、ギター、ベース、ドラムが、より暖かく連続した空間を共有することが多い。
結果は失敗した二番煎じでも、隠れたコンセプト作でもない。「Sister Moonshine」「A Soapbox Opera」「Another Man's Woman」「Lady」「Two of Us」などが、後の作品でさらに磨かれる道筋を示す過渡期のアルバムだ。
1975年
ツアーの勢い、旧作、A&Mで過ごした夏
『Crime of the Century』によって、Supertrampは拡大する国際的な聴衆を持つツアー・バンドになった。その日程のため、DaviesとHodgsonが完全な新曲を10曲揃える前に次作を求められた。
主な録音は1975年夏、ロサンゼルスのA&M Studiosで行われ、ロンドンのRamportとScorpio Soundでも追加作業が行われた。大西洋をまたぐ制作過程には、ツアーによって活動の重心が移りつつあったグループの姿が表れている。
SupertrampとKen Scottが再び共同制作。同じ5人の演奏者が戻ったことで、曲が『Crime of the Century』以前、同時期、以後のどこで生まれたかにかかわらず、作品に連続性が生まれた。
正式な発売物ではDaviesとHodgsonの共同名義。Hodgsonが中心となった6曲は「Easy Does It」「Sister Moonshine」「A Soapbox Opera」「Lady」「The Meaning」「Two of Us」、Daviesの4曲は「Ain't Nobody But Me」「Another Man's Woman」「Poor Boy」「Just a Normal Day」である。
「Just a Normal Day」では一曲の中で二人が主唱を分け合う。それ以外では作者と歌手の区別が明確で、曲順はすべてを同じ部屋で共作したかのように装うのではなく、異なる視点を交互に置いている。
A&Mは1975年後半に発売し、大規模な宣伝を展開した。危機の存在を認めない題名は、同じ皮肉な矛盾を描くジャケットにもよく合っていた。
確立した5人編成
制作時期の違いを越えて個性を守る黄金期の5人
Hodgsonは歌声とギターで曲順の大半を担う。口笛とアコースティック・ギターのストロークが冒頭を気取らないものにし、エレクトリック・ギターは「Another Man's Woman」や後半のクライマックスへ硬い輪郭を加える。
DaviesはWurlitzerとピアノで中音域にリズム上の個性を与える。彼の4つの人物歌は、劇場的な威圧から酒場のような共感、二人で分け合う疲労まで幅広い。
Helliwellは暖かな制作がぼやけるのを防ぐ。サックスはリフレインを突き破り、転換部を引き継ぎ、歌手へ身体感のあるフレーズで応答する。
Thomsonは、制作時期が数年離れた曲々を結びつける。Hodgsonのアコースティックな表面にも、Daviesの鍵盤主体の編曲にも、旋律的なベースで連続性を与える。
Siebenbergは安らぎと危機を同居させる。「Easy Does It」「Sister Moonshine」では軽い打楽器が支え、「Another Man's Woman」では力強いスネア、タム、シンバルがギター主体の終盤へ押し進める。
Scottはバンドをすでに確立した機構として扱う。細部は豊かだが、壮大な環境音のモンタージュよりも、5人が曲の中で音色を制御することに作品の個性がある。
サウンドと構築
暖かな表面と控えめな劇場的分離
『Crisis? What Crisis?』は『Crime of the Century』より暖かく連続した表面を持つ。アコースティック・ギター、Wurlitzer、サックスは、深い静寂から順番に現れるのではなく、しばしば重なって鳴る。
冒頭の2曲は一続きの入口を作る。「Easy Does It」の口笛とアコースティック・ギターがそのまま「Sister Moonshine」へ流れ込む。この安らぎは後にDaviesの重い鍵盤と人物的な歌声によって揺さぶられる。
音調を反転させる曲も多い。「A Soapbox Opera」は儀式的に響きながら公的権威を問い、「Poor Boy」は経済的な苦しさを喜劇的に演じ、「Just a Normal Day」は平凡な言葉の下へ感情的な疲労を置く。
Helliwellのリード楽器は、決まりきったソロではなく編曲された声であり続ける。クラリネットとサックスは、どちらの作者が中心かに応じて、ユーモア、哀愁、鋭さを加える。
ギターの役割はとりわけ多彩だ。アコースティックのストロークが陽光を運び、アルペジオが親密さを支え、「Another Man's Woman」のエレクトリック・ギター・ソロは本作で最も硬質な解放の一つをもたらす。
B面は次第に規模を縮める。「Lady」は明るく執拗に始まり、「Poor Boy」は賑やかな人物劇を演じ、「Just a Normal Day」は疲れを深める。「The Meaning」が内面へ向かい、「Two of Us」は飾り気のない親密さで閉じる。
全曲ガイド
口笛から二人の別れまで、独立した10の状況
Easy Does It
口笛、アコースティック・ギター、戸外の安らぎが気取らない入口を作る。Hodgsonの小品は「School」のような劇的な開幕を狙わない。
歌詞と軽い拍動は辛抱強さを促すが、主な役割は構成上のものだ。そのまま「Sister Moonshine」へつながる。
この短さによって、曲から曲への移行自体が一つの完全な出来事になりうると示す。『Crisis』はまず圧力を下げてから、登場人物たちの居心地の悪い状態を明かしていく。
Sister Moonshine
Hodgsonはアコースティックな明るさを、導きと憧れを歌う全員演奏へ広げる。12弦ギターの質感が表面を動かし続け、ベースとドラムがより確かな方向を与える。
Helliwellのリード楽器は旋律の明快さを邪魔せず、リフレインを広げる。呼びかけの中に距離が感じられても、曲の響きは開放的だ。
短い前曲から途切れずにつながり、個人的な口笛を共同体の編曲へ変え、A面最初の大きな弧を作る。
Ain't Nobody But Me
Daviesは、軽快に見えるブルース・ピアノの上で自分を大げさに演じる人物を登場させる。ざらついた歌声が、アルバムを包んでいた陽光を一気に暗くする。
掛け合いの声によって、その人物は目撃者や対立する複数の自己に囲まれているように聞こえる。編曲がさらに対立的になるにつれ、Helliwellのサックスが鋭さを増す。
劇場的な威圧はこの曲固有のもので、LP全体が一人の悪役を追う証拠ではない。Hodgsonによる開放的な冒頭2曲へ鋭い対抗軸を置く。
A Soapbox Opera
Hodgsonは儀式めいた鍵盤と歌唱を使い、公の説教と私的な疑念を演じ分ける。歌詞が権威を問い直す前から、権威そのものが演技として聞こえる。
編曲は格式ばった高まりと、より親密な問いを行き来する。リード楽器と集団の声が、想像上の演壇を人であふれさせる。
規模の変化が、制度と個人の信仰の隔たりを露わにする。「Ain't Nobody But Me」の人物世界には属さず、一曲の中で独自の主張を完結させる。
Another Man's Woman
Daviesはピアノ主体の緊張感と、傷ついた欲望の率直な告白から始める。その歌声は前曲の精神的な距離を拒む。
リズム隊が徐々に圧力を増し、Hodgsonのエレクトリック・ギターが後半の器楽部を身体的な解放へ変える。
A面を閉じるこの曲は、冒頭の辛抱強さを切迫感へ置き換える。アルバムの危機は、公的・哲学的なものから個人的で差し迫ったものへ変わった。
Lady
Hodgsonは明るい鍵盤の音型と執拗な呼びかけでB面を始める。反復によって親しみやすくなる一方、その下にある関係は落ち着かないままだ。
ThomsonのベースとSiebenbergの均一な拍動が、歌のリフレインを囲みながら編曲を前へ運ぶ。Helliwellはポップらしい形式を壊さずに音色を添える。
前曲のギターによるクライマックスの後へ陽光を戻すが、繰り返される訴えのため、明るさは単純な安心にはならない。
Poor Boy
Daviesはピアノ、歌声の抑揚、配置された応答によって、簡潔な社会的人物像を作る。ユーモアと苦難が同じ場面に同居する。
リード楽器と集団の声がほとんど芝居のような雰囲気を作り、ベースとドラムは人物描写が単なる余興へ落ちるのを防ぐ。
Poor Boyには皮肉と共感の両方が向けられる。経済的な不安はアルバムの私的な失望に加わるが、ジャケットの工業地帯を文字どおりの筋書きへは変えない。
Just a Normal Day
DaviesとHodgsonが歌の空間を分け合い、低い声の諦めと高い声の訴えを共存させる。題名は、孤独と感情的疲労に染まった一日を控えめに言い表している。
ピアノが中心の重みを担い、オーケストラとバンドの音色が選ばれたフレーズを広げる。二人で歌うことで、一人の語り手が悲しみのすべてを占有しない。
抑えた歩調がアルバム終盤の縮小を始める。公的な人物たちは遠ざかり、平凡な時間と傷ついたつながりだけが残る。
The Meaning
Hodgsonは人間関係の場面を離れ、意味を求める落ち着かない探究へ向かう。ギターと確かなリズム音型が問いを動かし続ける。
歌声は瞑想へ落ち着かず、重なっていくバンドの音色を通じて上昇する。意味は宣言されるのではなく、追い求められたままだ。
「Two of Us」の前に置かれることで、終曲の小さな人間的な絆を、哲学的な解決を装わない実際的な答えのように感じさせる。
Two of Us
Hodgsonはアコースティックな質感、声、抑えた全員演奏で作る率直な関係の歌で閉じる。規模は『Crime of the Century』のオーケストラによる終曲より意図的に小さい。
歌詞は不確かな外の世界に向き合う二人を想像する。ハーモニーと反復が親密さを作りながら、未来は開いたままにする。
終曲として、ジャケットの孤独な日光浴客へ否定ではなく仲間の存在で応える。世界全体の危機は解決されないが、二人はその中でどう生きるかを選ぶ。
この静かな終わりは、音数を減らした質感が作曲の中心になる『Even in the Quietest Moments』の広々とした手法も予告する。
一つだけではない危機
安楽、演技、不満
『Crisis? What Crisis?』は一つの連続したコンセプト・アルバムではない。題名とジャケットには強い共通姿勢があるものの、10曲は異なる時期に書かれ、互いに無関係な語り手を持つ。
否認と演技が繰り返される。題名は緊急事態を拒み、「Ain't Nobody But Me」は威圧を演じ、「A Soapbox Opera」は権威を舞台化し、「Poor Boy」は苦難をユーモアで包む。
Hodgsonの曲は繰り返し、つながりや導きを求める。「Sister Moonshine」「Lady」「The Meaning」「Two of Us」は別々の相手へ語りかけており、一つの関係へまとめることはできない。
Daviesは居心地の悪さを社会的な人物の中へ置く。欲望、貧困、一見平凡な一日が、日常語では抑えきれない危機を明らかにする。
曲順は安らぎから認識へ、そして親密さへ進む。陽気な表面と不穏な主題の対照が統一感を作り、その矛盾はジャケットにそのまま視覚化されている。
陽光と廃墟
工業地帯の荒廃を無視する日光浴客
表ジャケットには、水着姿の男性が鮮やかな黄色いパラソルの下で飲み物を手に横たわり、その周囲には灰色の荒廃した工業地帯が広がる。
日光浴の道具は環境破壊の中に小さな私設リゾートを作る。男性の快適さは、周囲の大きな光景を認めないことによって成り立つ。
題名は『ジャッカルの日』に関連する台詞を響かせ、冗談をさらに鋭くする。目に見える緊急事態へ驚くのではなく、陽気な否認で応じている。
ジャケットは、全歌詞が公害を扱うと証明するものではない。結果から自分を隔離するという支配的な姿勢を示し、それが誘惑する者、説教者、夢想家、緊張した関係のすべてに響く。
次作の重圧
二度目の躍進ではなくトップ20への橋渡し
『Crisis? What Crisis?』は1975年12月に英国アルバム・チャートへ入り、最高20位、15週チャート入りした。
十分な成績ではあったが、『Crime of the Century』の4位という躍進には及ばない。前作と同じ勢いで聴衆を広げるより、既存の支持を固めた。
「Lady」と「Ain't Nobody But Me」はシングルとして注目されたが、英国で大ヒットにはならなかった。それでも作者と歌声の違いは、二つの中心を持つバンドの個性が続いていることを示した。
当時の批評は賛否が分かれ、制作上の圧力、ばらつき、新曲不足を指摘する声も多かった。そうした事情は重要だが、個々の編曲には「急いで作った次作」という一言では捉えきれない違いがある。
ツアーで生き残った曲もあれば、スタジオ盤だけに留まった曲もある。結果として、注意深く孤立した劇を作る『Crime』と、1977年の広々とした自己制作の間で重要な位置を占める。
橋渡しとなるアルバム
カタログで最も多くを語る過渡期の作品
過渡期という評判は妥当だが、移行は制作事情であると同時に本作の主題でもある。バンドは活動拠点を移し、突然の成功を消化し、どの旧作が5人編成にまだ合うかを見極めている。
「Sister Moonshine」と「Lady」はHodgsonの簡潔なアコースティック/鍵盤作法を発展させ、「A Soapbox Opera」は長い劇場的構成を保ち、「Two of Us」は静かな親密さを先取りする。「Another Man's Woman」は、ピアノ、リズム隊、Hodgsonのギターが本作の暖かな評判以上に硬い全員演奏の解放を作るため、Daviesの強力な見せ場となった。
『Even in the Quietest Moments』は、少数の長い曲と広々とした環境によって時間不足の問題を解決する。『Crisis』があるから、その次の一歩は唐突ではなく理解できる。
本作の遺産は支配的な影響力ではなく、カタログの奥行きにある。厳しい日程下でも黄金期の5人は識別可能な10の状況を作り、作曲時期の不揃いささえ作品の個性になった。
どの版を選ぶか
公式未発表曲の付録を持たない10曲のアルバム
まず原盤10曲を聴く。「Easy Does It」は必ず「Sister Moonshine」の直前に置き、「Another Man's Woman」後の面替わりも保つ。
2002年リマスターはセッションの未発表曲を加えず、標準の曲目を収録する。完全な拡張セッション史をうたう版を評価するとき、この不在は重要だ。
「You Started Laughing」は当時のB面曲として登場し、後にコンピレーションやライヴ盤へ収録された。変更を明記せず原盤へ挿入してはならない。
ピアノの重み、ギターの鋭さ、ドラムの強弱は「Another Man's Woman」で、アコースティックな細部と小音量の空気感は「Two of Us」で確かめる。
完全なジャケットは不可欠な文脈だ。ユーモアは空間の対照にあり、小さな余暇の領域は周囲の工業的な荒廃があって初めて意味を持つ。
聴き方の道筋
制作の速さを評する前に対照を聴く
- 最初の一聴: 5曲ずつの両面を聴き、冒頭の連続した流れを保つ。
- Roger Hodgsonを追う: アコースティックな安らぎから、つながりと意味へ向かう6曲をたどる。
- Rick Daviesを追う: ピアノと劇場的な歌唱が作る4人の現実的な人物を比べる。
- 硬い輪郭を追う: 暖かな表面の下にあるサックス、エレクトリック・ギター、ドラムを聴く。
- 最後にジャケットを読む: 否認の主題を一つの物語の証拠ではなく、響き合う要素として捉える。
調査資料
出典と参考資料
- 『Crisis? What Crisis?』発売記録 — MusicBrainz
- 『Crisis? What Crisis?』チャート史 — Official Charts Company
- 『Crisis? What Crisis?』クレジット — AllMusic
- A&MにおけるSupertrampの歴史 — On A&M Records
- 『Crisis? What Crisis?』A&M発売記録 — On A&M Records
- 『Crisis? What Crisis?』アルバム分析 — Classic Rock Review
- Roger HodgsonによるSupertramp楽曲 — Roger Hodgson