作品概要
基本情報
- アーティスト
- Country Joe and the Fish
- 発売
- 1969年7月
- アルバム
- スタジオ第4作
- オリジナル収録曲
- 10曲
- レーベル
- Vanguard VSD 79299
- プロデューサー
- Samuel Charters
重要である理由
自らの不安定さを記録した過渡期の作品
『Here We Are Again』は、クラシック編成による継ぎ目のない続編ではありません。Bruce Bartholの脱退後、David CohenとHirshも離脱へ近づく時期につくられた三つの録音ブロックを結びます。
McDonald、Melton、Hirshは全セッションに参加しますが、ベースはMark Ryan、Jack Casady、Peter Albinへ交代します。Cohenは12月のNew York編成と1月のSan Francisco編成で演奏し、「I'll Survive」と「Maria」ではMark Kapnerがピアノを担います。
Samuel ChartersとエンジニアEd Friednerが制作上の連続性を保ちます。Ed BlandとEd Bogasは、管や弦を含む曲ごとの編曲を担当しました。
大半はMcDonald作で、Meltonは「Baby, You're Driving Me Crazy」「I'll Survive」「Maria」「Doctor of Electricity」を書きました。
音楽は直接的な歌と大きく展開する編曲曲の間を動きます。「Crystal Blues」は6分を超える一方、「My Girl」は2分余りです。
題名は単純な帰還を示すようですが、本作は不在、生存、理解できない声と繰り返し向き合います。記録としても音楽としても重要で、元のアンサンブルが溶解する一方、スタジオは新しい形式を生み続ける手段になります。
New YorkとSan Francisco
クラシック編成分裂後の三つのセッション
『Together』は1968年に成功しましたが、同年後半にBartholが脱退。「Here I Go Again」「Donovan's Reef」「For No Reason」は1968年12月、Mark RyanをベースにVanguard Studiosで録音されました。1969年1月にはSan FranciscoのPacific Highで、Jack CasadyのベースとCohenの鍵盤による5曲を録音。「I'll Survive」と「Maria」は1969年3月のVanguardセッションで、Peter Albinがベース、Mark Kapnerがピアノを担当しました。
Hirshは三つのブロックすべてでドラムを担当。CohenとHirshはこの頃に活動中の編成を離れたため、本作は安定したツアー編成を表すものではありません。
全セッションをChartersがプロデュースし、Friednerが録音、後にNew Yorkで作品をリミックスしました。Blandは5曲を編曲して管と弦を指揮。Bogasは4曲を編曲し、うち1曲はChartersとの共同です。VanguardはMcDonaldのWoodstockソロ出演直前、1969年7月にVSD 79299を発売しました。
変化するセッション編成
変わる編成を貫くMcDonald、Melton、Hirsh
周囲のリズム隊や編曲陣が変わっても、McDonaldの軽く率直な歌声が連続性を保ちます。Meltonの4曲は、彼を残ったリードギタリストにとどまらない並行する作曲者にする。Hirshは全ブロックに参加する唯一のリズム隊奏者で、三通りのベースへ共通の脈動を与えます。Cohenの末期の鍵盤は8曲を形づくりますが、Kapnerのセッションへ割り当ててはいけません。
Ryanは簡素な12月の5人編成、Casadyは編曲色の強いPacific High素材、Albinは3月の2曲を支えます。Kapnerのピアノが「I'll Survive」と「Maria」へ独自のセッション個性を与える。Blandの管と弦は恒久的なバンド編成にならず規模を加えます。クレジットは不安定さを正確に示し、漠然と一つのグループとして説明すれば実際の構築が失われます。
編曲された移行期
歌、編曲、スタジオ編成
「Here I Go Again」は道のリズム、記憶、オーケストラの高まりを通じて帰還を循環させます。「Donovan's Reef」は暗く超現実的な社会のパノラマへ広がる。「It's So Nice to Have Your Love」は編曲の温かさとCasadyのベースで滑らかな表面をつくります。「Baby, You're Driving Me Crazy」はMeltonへ簡潔で力強い中心を与えます。
「Crystal Blues」は歌と楽器の緊張を6分にわたり引き延ばします。「For No Reason」は12月編成と簡素な問いの形式へ戻る。「I'll Survive」はKapnerのピアノとAlbinのベースを使い、耐え抜く意思を直接述べます。
「Maria」は同じ3月編成を人物と親密さへ向けます。「My Girl」はPacific Highの音色を本作最短曲へ凝縮。「Doctor of Electricity」はテレビ、ラジオ、機械、理解できない声とともに閉じます。
全曲ガイド
別離から電気的崩壊までの10景
Here I Go Again
McDonaldは帰還を勝利ではなく反復として幕を開けます。RyanとHirshが道を進ませ、Bogasの編曲が愛と戦時の不在の記憶を広げる。題名の「again」は持続と疲労の両方を帯びます。
Donovan's Reef
12月編成は暗い超現実的な風景へ入ります。Cohenの鍵盤とMeltonのギターが仮面、痛み、社会的服従の像を囲む。礁は目的地というより不安定な精神地形です。
It's So Nice to Have Your Love
Pacific High、Casadyのベース、Blandの編曲が、より温かく厚い表面をつくります。単純な題名はMcDonaldの率直さを失わず、管や弦によって重みを得ます。
Baby, You're Driving Me Crazy
Meltonによる本作最初の曲は簡潔で、リズムが即座に迫ります。編曲は恋愛の圧力を前進運動へ変え、周囲のより精巧な曲と対照をなします。
Crystal Blues
A面は最長曲で終わります。Casady、Hirsh、Cohenとギター陣が緩やかな高まりを支え、Blandの編曲色はブルースを滑らかにせず屈折させます。
For No Reason
12月の5人編成へ戻ることでB面冒頭は簡素になります。McDonaldの問いをRyanのベースとCohenの鍵盤が支え、Bogasが不確かさを囲む空間を整えます。
I'll Survive
Meltonの曲は、二人の主要な歌声とギターの下へKapner、Albin、Hirshによる3月のトリオを導入します。生存は率直に語られ、変わった編成が反復ではなく新たな始まりにします。
Maria
同じ3月セッションが名を持つ人物へ向かいます。MeltonのスライドギターとKapnerのピアノが人物像を動かし、Blandの編曲が別の出自を隠さず形を加えます。
My Girl
最短曲はPacific High編成へ戻ります。CasadyとHirshがラブソングを簡潔に保ち、CohenとBlandの編曲が演奏時間以上の色彩を与えます。
Doctor of Electricity
Meltonは理解不能な言葉を話す現代システムで締めくくります。Cohenの鍵盤、Casadyのベース、Bogasの編曲によって機械は次第に混雑する。繰り返される参加への誘いは共同的であると同時に強制的です。
再びここへ
帰還、生存、愛、失敗するコミュニケーション
帰還と反復が「Here I Go Again」とアルバム題を枠づけます。愛は複数の曲で記憶、支え、圧力、名を呼ぶ行為として現れる。生存は冒頭曲が導入した不在と喪失へ答えます。「Donovan's Reef」と「Crystal Blues」は変容した知覚を、超現実的パノラマと持続する屈折という異なる方法で使います。
「Doctor of Electricity」は通信技術を疎外へ変えます。交代するベーシストは、歌詞がバンドを扱わない時にも不安定さを聞かせる。編曲は私的な言葉を繰り返し公の場面へ広げます。本作を統一するのは一つの編成や概念ではなく、再構築です。
Vanguard VSD 79299
組み立てられた作品の歌詞カード
Vanguardは1969年7月、全10曲のLPをVSD 79299として発売。オリジナル・パッケージには歌詞と詳細なクレジットが付き、セッション編成を理解するうえで欠かせません。ジャケットはTom Wellerが制作しました。
A面5曲/B面5曲の構成は、「Crystal Blues」と「Doctor of Electricity」を性格の異なる大きな終着点に置きます。クレジットを一つのバンド編成へまとめる後年の要約は、オリジナル・パッケージにある情報を失います。
1969年7月
Woodstock前、1969年7月
本作は『Together』後の編成分裂と、8月のMcDonaldによるWoodstock出演の間、1969年7月に登場。「Here I Go Again」は「Baby, You're Driving Me Crazy」と組み合わせてVanguardからシングル化されました。LPは初期3作の商業的な勢いを取り戻せませんでした。
批評では、結束したクラシック編成が機能を終えた後もバンド名だけが続く作品と捉えられがちです。その背景は正しいものの、意図的な編曲や個々のセッション演奏を消すべきではありません。評価は1967年の2作と、Woodstock期に有名になった「Rag」の陰に置かれてきました。
第4作
セッション構成に注目すべき橋渡しの作品
『Here We Are Again』は、クラシック編成から柔軟なアンサンブルへ移る過程を最も詳細に記録したスタジオ作です。三人のベーシストはFishを広いBay Areaの人脈へ結びますが、スーパーグループを意味しません。McDonaldとMeltonは次の段階を担う並行した作曲者として現れます。編成の不安定さにもかかわらず、CohenとHirshは末期に大きな貢献を残しました。
編曲曲は、オーケストレーションがサイケデリック・ロックを飾るだけでなく明瞭にできると示します。「Doctor of Electricity」は失敗するコミュニケーションという関心の鋭い終着点です。正確なセッション構成は、継ぎ目のなさを求めず差異を聴くことで報われます。単なる衰退の証拠ではなく、独自の論理を持つ組み立てられた作品として最も強い遺産を残します。
オリジナル版
三つの録音ブロック、一枚のLP
オリジナルLPは各面5曲、全10曲です。曲順の中で役割が変わる演奏者を特定するには、歌詞/クレジットカードが欠かせません。「Here I Go Again」「Donovan's Reef」「For No Reason」では簡素なリズム音を聴き取ります。3〜5曲目と9曲目は厚みあるPacific Highの音色を共有します。
「I'll Survive」と「Maria」はピアノとスライドギターによる独立した一組です。Hirshのドラムは変化する編成を貫く最も明瞭な楽器上の糸。編曲クレジットはLP全体へ一般化せず曲ごとに読む必要があります。McDonaldのWoodstock出演は別のソロ演奏であり、本作の別版ではありません。
聴き進め方
編成交代を構造として聴く
- 冒頭2曲を12月のNew York編成として聴きます。
- 3〜5曲目で厚みあるPacific Highの音に注目します。
- 12月編成が戻る「For No Reason」で耳をリセットします。
- 3月の2曲でKapnerのピアノとAlbinのベースを聴き分けます。
- 「My Girl」でPacific Highの音色へ戻ります。
- 「Doctor of Electricity」に通信の過負荷で締めくくらせます。
- その後、一つのバンド音を押しつけずセッション編成を比較します。
調査資料
出典と参考資料
- 公式の曲構成、セッション、クレジット — CountryJoe.com
- アルバム、クレジット、批評 — AllMusic
- 公的データベースのバンド作品一覧 — MusicBrainz
- Country Joe McDonaldディスコグラフィー — CountryJoe.com
- Vanguardレーベル・ディスコグラフィー — Both Sides Now Publications
- オリジナル曲目/パッケージ記録 — Digital Pitt