アルバム概要
このアルバムを聴く理由
このアルバムが重要な理由
The United States of Americaはguitaristなしでpsychedelic rockを組み立てた。Joseph Byrdの鍵盤、Durrett synthesizer、tape、電子処理はGordon Marronのelectric violin、Dorothy Moskowitzの冷静で精確な声と並んで主役を担う。この省略は創造的に働き、ありふれたrockの身振りに代わってring modulation、fretless bassの動き、細密な編曲を運ぶrhythm sectionが前面へ出る。
group唯一のalbumはpop melody、政治的satire、avant-garde技法を結び、electronicsを目新しい上塗りとして扱わない。声とviolinそのものを作曲の一部として変形し、終曲suiteは引用とmontageでrecord自身の素材を検証する。groupがあらゆる未来を予見したという曖昧な主張でなく、この統合こそ本作の歴史的重要性である。
テープが回る前
歴史的背景と録音
ByrdとMoskowitzは実験音楽/academic musicの経験を、Marron、bassist Rand Forbes、drummer/percussionist Craig WoodsonとのLos Angelesのbandへ持ち込んだ。David Rubinsonはdemo制作とAsh Grove出演の時期にgroupをColumbiaへ導き、本作を制作した。Moskowitzによれば主要sessionはColumbiaのLos Angeles studioで8-track録音され、ByrdとRubinsonがNew Yorkで最終mixと追加electronicsを完成させた。
装置は特注で、作業には手間がかかった。ByrdはDurrett electronic music synthesizerを用い、Tom Oberheim製作の専用機器で楽器とMoskowitzの声をring modulationした。8-trackの制約から何度もbouncingが必要で、完成作の密度は無制限なstudio資源でなく、周到な編曲と重ね録りから生まれた。
演奏者と制作
参加者と楽器
Dorothy Moskowitz
リード・ヴォーカル
周囲の音響処理が不安定に揺れ、ときには自分の声まで変形する中でも、旋律の明瞭さを保つ。
Joseph Byrd
電子音楽、Durrett synthesizer、organ、electric harpsichord、piano、calliope、vocal
作曲と編曲を担い、通常ならlead guitarが占める位置で鍵盤、synthesis、tape、音響処理を用いる。
Gordon Marron
Electric violin, ring modulator and vocals
叙情的にも歪んだ金属音にも、音源から電子的に切り離された響きにもなる、弓奏のlead voiceを与える。
Rand Forbes
Fretless bass
標準的なblues rockの定型に頼らず、旋律的に動く低音を編曲へ与える。
Craig Woodson
ドラム、打楽器
tape collageと変拍子の下で規律あるpulseを供給し、groupは打楽器の電気的処理も試みた。
Ed Bogas
Organ, piano and calliope
鍵盤の音色域を広げ、Gordon Marronと『Where Is Yesterday』『Stranded in Time』を共作する。
Don Ellis
Trumpet
『I Won't Leave My Wooden Wife for You, Sugar』に参加し、意図的に古風なAmerican frameを補強する。
David Rubinson
producer
albumを制作し、Byrdと最終mixおよび追加electronicsを仕上げる。
聴きどころ
サウンド
Durrett synthesizerと電子処理は単なる宇宙時代風の飾りではない。曲がり、脈打つpitchを導入し、ring modulationで馴染みある音源のidentityを揺るがす。Marronのviolinは金属的な刃となり、Moskowitzの声は周囲の枠が変異しても冷静な人間性を保てる。
rhythm sectionがこうした技法を判読可能にする。Forbesのfretless bassはよく動き、Woodsonの打楽器はしばしば直接的なので、突然のtape侵入や電子的なsweepが形式上の出来事として聞こえる。Byrdのharpsichordとcalliopeは古いAmerican/European soundとも作品を結び、そのsatireを鋭くする。
オリジナル曲順
全曲ガイド
The American Metaphysical Circus
Written by Joseph Byrd
見世物小屋とmarchの引用を重ねたcollageからMoskowitzの抑制したvocalが現れる。electronicsが徐々に曲面を乱し、spectacleを魅惑的であると同時に強圧的に感じさせる。
Hard Coming Love
Written by Joseph Byrd and Dorothy Moskowitz
guitarなしでbandが力強く駆動する。fretless bass、電子処理した打楽器、加工violinが性的緊張を密度の高い身体的grooveへ変える。
Cloud Song
Written by Joseph Byrd and Dorothy Moskowitz
柔らかく宙づりの編曲がgroupの旋律的な節度を示す。電子的な色彩はMoskowitzの周囲を遮るのでなく、天候のように漂う。
The Garden of Earthly Delights
Written by Joseph Byrd and Dorothy Moskowitz
明るいattackと落ち着かない処理が、快楽と過負荷を切り分けがたいsongを囲む。ensembleはrhythmを簡潔に保ちながら、縁を明滅させる。
I Won't Leave My Wooden Wife for You, Sugar
Written by Joseph Byrd and Dorothy Moskowitz
calliopeの色彩と社会的satireが郊外の体面をgrotesqueなtheatreへ変える。humourは愛情深いnostalgiaでなく、意図的に居心地が悪い。
Where Is Yesterday
Written by Gordon Marron, Ed Bogas and Dorothy Moskowitz
重ねた声と行列のような歩みが記憶へ儀式的な重みを与える。定型的なrockのlead楽器がないため、choral textureはいっそう剥き出しに聞こえる。
Coming Down
Written by Joseph Byrd and Dorothy Moskowitz
高速の動きと電子的な断絶がpsychedelicな余波を短く神経質なsongへ圧縮する。遅い儀式の直後に衝撃を与える役割を果たす。
Love Song for the Dead Ché
Written by Joseph Byrd
Moskowitzは簡素で荘重な編曲の上で、追悼歌を抑制して歌う。政治的主題へsloganでなく哀悼から近づく。
Stranded in Time
Written by Gordon Marron and Ed Bogas
意図的に古風なorchestral様式が現代的な不安と衝突する。その時代のずれがnostalgiaを閉じ込められた感覚へ変える。
The American Way of Love
Joseph Byrd作のsuite。第3部はRand Forbes、Gordon Marron、Craig Woodson、Dorothy Moskowitzとの共作。
終曲suiteはsongから、album前半の素材を呼び戻すmontageへ進む。広告、欲望、愛国心、電子的過負荷が折り重なり、使っているmedia collageそのものを批評するfinaleとなる。
着想と空気
主題とコンセプト
本作はAmerican spectacle、消費、体面、戦争、欲望を一貫してsatire化するが、各曲が一つの筋書きを作るわけではない。歴史的様式と現代electronicsが、異なるAmerica像を同時に放送するように衝突する。
Moskowitzの抑制された歌唱はその批評に不可欠である。聴き手の感情を直接指示することは少なく、美しいvocal lineと侵入的な電子環境の不安定な関係が意味を生む。
ジャケット
カヴァー・アートと提示
Columbiaの米国初版はgroup名をstampした無地の茶色いpaper wrapperで外側を包んだ。その下の印刷sleeveは、旗をそのまま再現せず国家的graphicを想起させる赤と青の曲面内にmusicianを配置する。使い捨てwrapperが図像との対面を遅らせ、recordを開封する行為までpresentationの一部にする。
発売当時
発売と同時代の反響
Columbiaは1968年3月6日にCS 9614として発売した。米国album chartに9週入り最高181位で、長期の商業careerには結びつかなかった。groupは年内に解散し、original ensembleによる第2作を残していない。
本作の広い評価はreissueと電子rockの回顧史を通じて育った。1968年5月のThe Michigan Dailyによる同時代reviewは、electronicsと異例の楽器編成が当時すでに注目された証拠で、数十年後にinnovationとして作られた評価だけではない。
初版以後
評価と遺産
現在はelectronicsとrock ensemble実践を早期に統合した作品として定期的に論じられる。遺産の核心は具体的で、特注の音響生成、処理されたviolinと声、tape montageが作曲へ組み込まれている。
bandが消滅したため、その作法を創作者自身が反復するtemplateにはならなかった。電子的手法が日常的な制作道具になるにつれ後世的な意味を増した、唯一無二の記録として残る。
どの版を選ぶか
各版と試聴メモ
まず原盤10曲、37分07秒の曲順から聴く。2004年拡張版は完全なLPの後へ『Osamu's Birthday』『No Love to Give』、alternate versionなど10録音を置く。追加音源はgroupの方法を照らすが、終曲のreprise構造はbonusなしで先に聴いてこそ分かる。
2回目は声、violin、bass、打楽器、oscillatorという音源別に追うとよい。各処理signalを奏者まで遡ればmixの構造が理解しやすくなる。
実践的な入口
おすすめの聴き方
調査記録
出典と参考資料
- Joseph Byrd interview: The United States of AmericaEchoes
- Joseph Byrd interviewIt's Psychedelic Baby Magazine
- Dorothy Moskowitz interview: recording and electronicsIt's Psychedelic Baby Magazine
- Interview with Dorothy MoskowitzPsychedelic Scene Magazine
- Columbia CS 9614: original issue, sequence and writing credits45cat catalogue archive
- Columbia CS 9600 series discographyBoth Sides Now Publications
- Expanded edition track listingSony Music / Apple Music
- Contemporary review, 3 May 1968The Michigan Daily digital archive
- The United States of America album review and creditsAllMusic