作品概要
基本情報
- アーティスト
- Grateful Dead
- 発売
- 1968年7月18日
- アルバム
- 第2作
- オリジナル曲数
- 区切られた5作品
- レーベル
- Warner Bros.-Seven Arts
- 制作
- Grateful Dead、David Hassinger
重要性
録音が創作された演奏になる
『Anthem of the Sun』は、スタジオ・グループとしてのThe Grateful Deadとライヴ・グループとしての彼らのどちらかを選ばない。双方の環境で録った音を同じ楽節内へ置き、第三の存在を構築する。
本作は編集をアンサンブル演奏として扱う。部屋、日付、録音の質感がフレーズ途中で変わっても、反復するリフとリズムの記憶が、できあがるコラージュを偶然でなく方向づけられたものにする。
Mickey Hartの加入がツイン・ドラム体制を作り、Tom Constantenのピアノ、プリペアド・ピアノ、テープ作業が6人組ロック・バンドを越えて音色を広げる。そうした追加要素が、すべての移行に取り得る形を変えた。
作者性は分散したままだ。Garcia、Weir、Lesh、Pigpen、Robert Hunter、Robert Petersen、複数のグループ共作が、5曲のプログラムの異なる部分を占める。
重要性は技術面と音楽面の双方にあるが、単なる技巧ではない。濃密なモンタージュは、一夜を再現するふりをせずコンサートの不安定さをレコードで表現できると学ぶバンドを捉える。
1967-1968
スタジオ、舞台、再構築の7か月
The Grateful Deadの1967年デビュー作はDavid Hassingerの下で短期間に録音された。第2作では、規模も作業法も根本的に異なる工程を追求した。
録音は1967年9月に始まり1968年3月まで続いた。スタジオ作業はLos Angeles、New York、San Francisco、Miamiで行われ、演奏テープは西海岸の複数会場から集められた。
コンサート素材にはShrine Exposition Hall、Eureka、Eagles Auditorium、Crystal Ballroom、Kings Beach、Carousel Ballroomが含まれる。本作は耳に聞こえる切り替わりを一つずつ別テイクとして示さない。
Hassingerがプロデューサーとして企画を始めた一方、The Grateful Deadは次第に主導権を握った。Dan Healyはエグゼクティヴ・エンジニア、Bob Matthewsはアシスタント・エンジニアとして記載された。
Tom Constantenは後に正式なステージ・メンバーになる前から、ピアノ、プリペアド・ピアノ、電子テープ作業で参加した。Mickey Hartの打楽器がBill Kreutzmannのドラムへ加わった。
最終ミックスはNew YorkのOlmsteadやMiamiのCriteriaを含むさらに複数のスタジオを渡り歩き、Warner Bros.-Seven Artsが1968年7月18日にLPを発売した。
バンドとエンジニア陣
新たな7人の言語とエンジニアの輪
Garciaのギターはしばしば連続性の合図になる。識別できるフレーズが素材テープの切り替えを越えて残り、複数の演奏が一つの展開する身振りに属すると耳を納得させる。
Weirは書かれた建築とリズムの中断をともに与える。「The Other One」と「Born Cross-Eyed」は、アクセントをずらす彼の感覚で作曲済みの楽節を不安定に感じさせる。
Leshは作曲家、オーケストレーター、器楽の色彩家として異例に大きな存在だ。「New Potato Caboose」は彼の長大な設計に依存し、ベース運動が複数の録音空間をつなぐ。
PigpenはB面をブルースとダンスフロアの即時性へ引く。「Alligator」と「Caution」は、合奏が曲の枠を越える前に、彼の直接的な声の存在から個性を得る。
KreutzmannとHartが作るのは単なる重量追加でなく、重なり合う時間だ。二人の打楽器奏者により、一つの脈動が続く間に別の質感が移行を準備できる。
Constantenは通常の鍵盤を越えてリズムと和声を拡張する。プリペアド・ピアノのアタックとテープ上の出来事は、打楽器、雰囲気、構造上の句読点として振る舞える。
モンタージュによる構築
モンタージュ、二重の時間、過積載の色彩
1968年オリジナル・ミックスは素材源の変化を前景に置く。室内音、楽器の距離、ステレオ位置が突然動き、音楽の連続性を壊さず構築過程を露出する。
スタジオのオーバーダブはライヴの土台を磨くだけではない。トランペット、ハープシコード、プリペアド・ピアノ、ベル、チャイム、ゴング、テープが、聴覚上のアンサンブル規模を変える。
A面は複雑ながら、組曲、Leshの長編、Weirの短い小品として明瞭に分節される。B面は、二つの曲名へ区切られた一つの拡大する演奏のように振る舞う。
声の機能は曲ごとに変わる。GarciaとWeirが作曲された物語を運び、集団パートが移行を厚くし、Pigpenは反復で身体的な勢いを駆動する。
拍子は劇的な資源だ。「The Other One」の循環力、「New Potato Caboose」の区分運動、「Caution」の加速が、リズムの個性を変化する録音を通る地図へ変える。
1971年リミックスはリマスターでなく、真に別の提示形だ。1968年版との比較で分かるのは、単純な音質向上ではなく、バランス、編集、密度についての判断である。
全曲ガイド
多くの内的世界を含む5曲
That's It for the Other One
印刷上の4部が冒頭組曲を成す。Garciaの「Cryptical Envelopment」は識別しやすい歌の建築から始まり、打楽器、素材源の変化、Weirの「The Other One」が中心を向け直す。ベースと二人のドラマーが、空気感や質感の急変にも耐える循環推進を作る。「Quadlibet for Tender Feet」と終盤の移行は、モンタージュを中断でなく運動として聞かせる。本作を統べる発想、すなわち一つの作品が複数の演奏を含み、その矛盾が磨かれた一つのマスター・テイク以上を明かせるという考えを導入する。
New Potato Caboose
Phil Leshの音楽とRobert Petersenの言葉が、本作で最も精巧な独立構造を作る。動くベース、ギターの対旋律、鍵盤色、変化する声の密度を軸に各部が開閉する。ヴァース曲というより連結した部屋の列のように進み、各室が前室の痕跡を残す。長さが、繊細で室内楽的な均衡から重い合奏運動への移行を可能にする。冒頭の露わなモンタージュに続き、「New Potato Caboose」は作曲された区分の比率からも複雑さが生まれると示す。
Born Cross-Eyed
Weirの短い作品は、不安定さを2分余りへ凝縮してA面を閉じる。声のフレーズ、ギターのアクセント、スタジオ処理が、先行曲のような長い解放を持たず衝突する。その圧縮ゆえ定型的シングルにも小さな間奏にもならない。「The Other One」内のリズムのずれを独立曲へ変え、アルバム規模の鋭い編集点として働く。唐突さは安定した終止の安心を拒みつつA面を一掃する。
Alligator
PigpenとHunterの言葉、PigpenとLesh名義の音楽が、意図的に土臭い音域でB面を始める。歌の部分が反復的で身体的なグルーヴを確立し、やがて打楽器とギターが枠を広げる。カズーと重なるリズム色が強度の中へユーモアを保つ。進むほど歌、ジャム、スタジオ組立の区別は透過する。Pigpenの直接的な語りかけは、長い器楽的離脱へ社会的な出発点を与え、抽象を目的化させないため不可欠だ。
Caution (Do Not Stop on Tracks)
グループ共作の終曲は独立作として始まらず、「Alligator」の勢いから現れる。反復リフとPigpenの声の圧力が初動のエンジンとなるが、合奏の蓄積が馴染みあるブルース・ロックの枠を徐々に圧倒する。ギター、ベース、オルガン、二重の打楽器が、歪み、テープ、演奏エネルギーを分けにくい境界へ駆動する。「Caution」はコンサートの頂点とスタジオ構築を明確に分けることを拒み、B面を完成させる。題名の警告は形式そのものになる。止まれば曲を定義する運動が壊れるのだ。
一つの筋書きはない
運動、断裂、共同体の変容
『Anthem of the Sun』に連続した歌詞上の物語はない。統一は手続きにあり、別々の時間、場所、書かれた個性が、一つのアルバム規模の体験へ変換される。
乗り物、車輪、線路、円環、旅を通じて運動が反復するが、それらの像は一つの筋でなく異なる作家と状況に属す。A面は不安定な知覚と区分作曲を優先し、B面は動物的ユーモア、ブルース語法、集積するリズム力を持ち込む。
共同体は圧力下の連携として聞こえる。録音そのものが足元で変わっても、7人の音楽家と複数の技術者が集団の方向を保つ。
題名は宣言を思わせるが、音楽は一つの教義を示さない。このアンセムとは、違いを消さず組み上げる行為そのものだ。
Warner WS 1749
Bill Walkerの拡張する人間曼荼羅
Bill Walkerがジャケット画を制作し、Ed Thrasherがアート・ディレクション、Tom Weirがオリジナル装丁の写真を担った。中央像は顔、手足、放射する色を組み合わせ、個々の人物を全体から切り離しにくい図にする。その視覚的圧縮は音のモンタージュと並行する。明瞭な身体と身振りが残りながら、一つの大きな生命体へ参加する。密に描き込まれたジャケットは、5曲の題名を一瞥するだけでは理解できない作品へ聴き手を備えさせる。
1968年7月
安定した分類を持たない第2作
Warner Bros.-Seven Artsは1968年7月18日、The Grateful Deadの第2作として『Anthem of the Sun』を発売した。オリジナルLPは区切られた5曲、約39分。スタジオ作曲、コンサート演奏、テープ・モンタージュの混合は、スタジオ・アルバムのカタログに属しながら、単純なライヴ盤/スタジオ盤の分類に抗う。
制作史は、音楽をどう録り組み上げるかの主導権をバンドが握る過程も示す。後発版と1971年リミックスにより多くの聴き手が最初に接した版が変わったため、責任ある論評にはミックスの特定が欠かせない。
サイケデリックなスタジオ形式
スタジオとライヴの問題を方法へ変える
『Anthem of the Sun』は、The Grateful Deadが演奏テープを作曲の原材料として扱った最も明瞭なスタジオ記録であり続ける。
ほどなく『Live/Dead』が舞台をより直接的に示し、『Aoxomoxoa』は16トラックのスタジオ積層を追求する。『Anthem』は二つの解答の間にある不安定な地面を占める。
「The Other One」「New Potato Caboose」「Alligator」「Caution」はコンサートで発展を続け、アルバム形が最終定義でなく介入だったと証明した。広い楽器色は後のスタジオ実験を先取りする一方、モンタージュ法そのものは異例なほど本作固有のままだ。混沌の過剰や技術的珍品でなく、録音された時間を集団即興のように振る舞わせる規律ある試みとして評価すべき作品である。
どのミックスを選ぶ?
1968年ミックスと1971年改訂版を並べる
まず1968年オリジナル・ミックスを聴き、それから1971年改訂版と比べる。5曲を完全なオリジナル作として扱い、後発のライヴ素材は文脈を示す資料と考える。「Alligator」から「Caution」へのB面の移行は構造そのものなので、ギャップレス再生を使いたい。
情報量のあるマスタリングは、突然の空間変化を一様な音場へ均さず保つべきだ。2018年版のWinterland公演は完成作より前の録音であり、全5曲の直接の無編集素材と説明してはならない。
聴き進め方
接合点、音色、移り変わる作者性を追う
- まず「That’s It for the Other One」内部の室内音とステレオ位置の変化を追う。
- 「New Potato Caboose」を区分ごとに地図化し、Leshのベースが新領域を告げる箇所に注目する。
- 「Born Cross-Eyed」を定型的な小休止でなく、圧縮されたずれとして聴く。
- 「Alligator」と「Caution」を切れ目なく再生し、曲としての役割が溶ける地点を追う。
- 最後に二つの公式ミックスを比べ、抽象的な優劣でなく具体的なバランスや編集の違いを言葉にする。
調査の道筋
出典と参考資料
- 『Anthem of the Sun』リリース・グループ — MusicBrainz institutional database
- 『Anthem of the Sun』オリジナル・リリース — MusicBrainz institutional database
- 『Anthem of the Sun』セッション/クレジット資料 — MusicBrainz institutional database
- 『Anthem of the Sun』の曲目とクレジット — AllMusic
- Dan Healyと『Anthem』のテープ — Official Grateful Dead history
- 『Anthem of the Sun』50周年版 — Rhino Media