作品
基本情報
- アーティスト
- Love
- 発売
- 1970年12月
- アルバム
- 第6スタジオ・アルバム
- オリジナル曲数
- 10曲
- レーベル
- Blue Thumb
- 制作
- Arthur Lee。エンジニア:Gary Kellgren
重要な理由
ツアーで鍛えられたLoveが1970年の硬い音と出会う
『False Start』は、Arthur LeeがLoveを『Forever Changes』に結び付くアコースティック/管弦楽グループとして保存することを拒んだ記録だ。1970年のバンドは、増幅されたリズム、ギターの歪み、直接的な歌の力を使う。
冒頭のJimi Hendrixとの共演は歴史的に鮮烈だが、意図的に範囲が限られている。Hendrixがリード・ギターを弾くのは「The Everlasting First」のみ。残る9曲に彼がいないことで、Leeの現役バンドの個性はむしろ聞き取りやすくなる。
Gary Rowles、Frank Fayad、George Suranovich、Nooney Rickettは、Leeに柔軟な電気編成を与える。オリジナルLoveを装うことなく、リフを推進し、ファンクへ傾き、ライブでは自由に広がり、短い曲では引き締まることができる。
広大な2枚組『Out Here』に続く本作は、わずか30分ほど。簡潔な10の表現によって曲順と対照が中心となる。ジャム風の冒頭に、短いヴァース、ライブでの再演、カントリーの抑揚、最後の長いグルーヴが応答する。
Loveの第6スタジオ作でBlue Thumb第2作となる『False Start』は、Leeの録音歴の終わりではなく、一つの持続した時期の終点だ。1974年の『Reel to Real』でLove名義はスタジオ・アルバムへ戻る。
1970年のLove
『Out Here』後、交代したギタリストと一人の著名な客演
1970年までに『Love』『Da Capo』『Forever Changes』を作った編成は解体していた。Leeはすでに『Four Sail』と『Out Here』のため、より重い電気的な語彙を軸にグループを再建していた。
グループは1970年初頭にヨーロッパをツアー。その期間にLeeはLondonのOlympic StudiosでHendrixと「The Everlasting First」を録音した。アルバム曲に残るのはHendrixによるその1曲への参加であり、隠された共同LPではない。
Gary RowlesがJay Donnellanに代わる主要リード・ギタリストとなった。FayadとSuranovichはベース/ドラムの土台を継続し、Rickettはアルバム本編でリズム・ギターとバックボーカルを加えた。
全曲をArthur Leeが書き、プロデュースも担当。Gary Kellgrenがエンジニアとして記載される。責任はLeeに集中する一方、編曲は演奏するバンドの個性を保っている。
「Stand Out」は『Out Here』にスタジオ録音で収録されていた。『False Start』はライブ演奏を使い、以前の曲を現編成の舞台上の重量を示す証拠へ変える。
Blue Thumbは本作を1970年12月に発売。『Out Here』の次というカタログ上の位置が硬質な連続性を説明し、短い形式が2枚組の第2巻として機能することを防いでいる。
『False Start』の編成
Lee、ツアー・バンド、Hendrixの1曲客演
Leeは1967年作品より粗く、明確にソウル由来のアタックで歌うが、ためらいと奇妙な言い回しによって自信を中断する性質は残る。
Rowlesはアルバムで最も有名なギタリストの直後を、その一度の演奏を片面にわたって模倣せず担わなければならない。彼のワウワウの色彩と鋭いフィルは「Flying」以降、繰り返し現れる声となる。
Fayadはしばしば、ギターが装飾する前進運動を供給する。彼のラインによってファンクのアクセントは表面的でなく、構造的に感じられる。
Suranovichは四角いロックの強調と、Leeの歌い回しを囲む柔らかな押し引きを交互に使う。ライブ版「Stand Out」では、その応答的な役割が特によく聞こえる。Rickettは中音域を厚くして応答を補強し、Rowlesが編曲を空にせずコード伴奏から離れられるようにする。Hendrixの役割は例外的かつ局所的だ。リード・ギターが冒頭曲の規模を広げた後、曲順は通常編成に独自の個性を確立するよう求める。
ハードロックとファンク
ワウワウ、歯切れのよいリフ、ソウルのアタック、突然の凝縮
『False Start』は乾いたドラム、前面に出るエレクトリック・ベース、歪んだリズム・ギター、ワウワウを多用するリードで構築される。音は『Forever Changes』より密だが、『Out Here』ほど広がり過ぎない。
Leeの旋律は今も通常のハードロック的な対称性を拒む。ヴァースは突然止まり、リフレインは命令として現れ、短いブリッジがグルーヴの定着前に感情の温度を変える。
ソウルとファンクは大編成の管楽器ではなく、歌のアタックとリズムを通じて入る。「Keep on Shining」と「Feel Daddy Feel Good」は励ましの反復を軸にするが、バンドは言葉の下でアクセントを変え続ける。
「The Everlasting First」は最も広いギターの対話を持ち、終わりを定めないような編曲の中でHendrixがLeeへ応答する。後の曲は多くの場合、その応酬を短く鋭い形式へ凝縮する。
「Stand Out」は主にスタジオで構築された曲順へ、会場音とライブの伸縮性を加える。拍手と長い演奏を、アルバム全体がライブ録音だった証拠と取り違えてはならない。
終曲「Ride That Vibration」は簡潔な数曲の後に長さと反復を戻す。持続する脈動が、冒頭のギター劇をもう一度示すだけでなく、意図された終点を作る。
全曲ガイド
Hendrixとの共作アルバムではなく、短い10曲
The Everlasting First
LeeとHendrixは広々としたギターの応酬で始め、やがてリズム隊が曲を前進運動へ固定する。Hendrixのリード・フレーズは伸びながら歌へ応答し、Leeは反復する宣言によって曲を地に結び付ける。この曲は共演を告げるが、アルバムは直後にその特別編成の章を閉じる。
Flying
通常編成は、より引き締まった規模と歯切れのよいリズムの枠で入る。RowlesはLeeの歌の周囲に簡潔なギター応答を置き、Fayadがヴァースを動かし続ける。題名は解放を思わせるが、冒頭曲の広いギター空間の後では、編曲は制御され地上に結ばれているように聞こえる。
Gimi a Little Break
意図的に凝縮した懇願が、焦りを形式へ変える。停止、繰り返す言葉、素早いギターの句読点によって、要求は戻るたびに余裕を失って聞こえる。この短さが、アルバムを長いジャムへの期待に落ち着かせない。
Stand Out
このライブ版は『Out Here』で初出した曲を再訪する。観客の存在、広いドラム音、柔軟な速度感が、スタジオ曲を舞台上の個性の宣言へ変える。Leeの命令に、リフレインを失わずアクセントを引き伸ばせるバンドが応答する。
Keep on Shining
明るく、一部にカントリーの色を帯びた表面が、重い前半と釣り合う。題名の励ましは集団の応答と弾む脈動によって運ばれるが、ギターの角が単純な楽観を許さない。ライブ演奏の後に呼吸の余地を開く配置だ。
Anytime
Leeはいつでも応じる姿勢を、柔らかさではなく強い主張として形作る。ベースとドラムが堅固な反復の土台を保ち、ギターが圧力を細かく変える。長さを延ばさず強度を築けるバンドだと示す演奏だ。
Slick Dick
アルバムで最も辛辣な人物描写は、露骨な題名、角張ったリフ、観察と対決を交互に使う歌を組み合わせる。リズムの中断が標的の均衡を崩し続け、風刺は言葉と同じほどタイミングから生まれる。
Love Is Coming
1分少々ながら、独立した身振りを完成させた移行曲だ。反復がバンド名と約束された感情を到着の合図へ変える。極小の形式が、鋭い「Slick Dick」と続く重い肯定の間に空間を作る。
Feel Daddy Feel Good
大きなソウル・ロックのリフレインがLeeに呼びかける余地を与える。FayadとSuranovichがグルーヴを身体的に保ち、ギターは一見肯定的な題名の周囲へ摩擦を加える。音は共同体的だが、歌い回しには独特さが残る。
Ride That Vibration
終曲は円環するリフを持続し、運動を指示へ変える。RowlesのギターはHendrixの冒頭曲を再現せず、バンドが確立した音場の中で働く。反復が力を蓄積し、現役グループ自身の長い宣言でアルバムを終えられる。
10の状況
運動、自己への命令、不安定な自信
『False Start』は連続する物語ではない。統一感は、飛ぶ、立つ、輝く、感じる、乗るという行動と命令の動詞から生まれる。
題名は再建を繰り返した経歴と重ねて聞けるが、各曲がバンド史を文字どおり語るわけではない。
自信が安定することはほとんどない。願いは要求へ変わり、励ましは摩擦を帯び、解放に見える運動も硬い脈動に縛られる。
Loveそのものが約束、バンド名、演奏エネルギーとして現れる。Leeは単一の恋愛的メッセージを示さず、それらの意味を創造的に未解決のまま保つ。
著名な客演から通常編成の終曲グルーヴへ進む流れが、曲順に暗黙の主張を与える。外部の注目が扉を開いても、アルバムを持続させるのはバンドでなければならない。
BLUE THUMB BTS 22
変化するバンドに与えられた、途切れる題名
Blue Thumbのジャケットは、短く力強い曲で作られたアルバムに合う直接性で題名を示す。False Startは競走用語であり、中断される運動を表す有効なイメージだ。音楽は何度も始まり、止まり、方向を変えるが、文字どおりのコンセプト物語にはならない。パッケージは初期4作のElektraの視覚体系ではなくLoveのBlue Thumb期に属するため、レーベルとカタログ情報が特定に重要となる。後年のデジタル・ジャケットも作品の個性を保つが、オリジナル全10曲とコンピレーションは曲数と順序で区別すべきだ。
1970年12月
BLUE THUMB・1970年12月
Blue Thumbは1970年12月、『False Start』をLoveの第6スタジオ作、同レーベルでの第2オリジナル作として発売した。全10曲は約30分で、2枚組『Out Here』から大幅に縮小している。Hendrixがリード・ギターを弾く「The Everlasting First」が即座に注目点となったが、当時と後世の評価は、残る曲目におけるRowlesの演奏とLeeの力強い歌も認めている。「Stand Out」は唯一のライブ演奏で、『Out Here』から戻った唯一の曲。他の9曲が新たなスタジオ本編を構成する。
本作は長期に安定する編成を確立しなかったが、失敗や終章へ還元すべきではない。Leeは後にLove名義で『Reel to Real』を発表した。
『Forever Changes』の後
模倣ではなく、見過ごされた後期の一章
『False Start』はしばしばHendrixを入口に聴かれる。価値ある入口だが、1曲を越えて拡大すると誤解を招く。本作はLoveをツアー活動するハードロック・バンドとして保存し、その名が『Forever Changes』の室内楽的な質感で終わったという見方を正す。リフ主体のロック、ソウルの歌、ファンクのアクセント、突然終わる小形式の混合は、Leeが1970年代に追求するより硬質な折衷性を予告する。
Rowlesの貢献が歴史的に重要なのは、ほとんど勝ち目のない冒頭の比較の後、通常ギタリストとして作品を担うからだ。『Out Here』とLeeの後年作の間に置けば、本作は孤立した珍品ではなく、移行期の簡潔な記録となる。
オリジナル構成
全10曲の境界を明確に保つ
全10曲を順に聴き、「Ride That Vibration」で止める。Hendrixのクレジットは「The Everlasting First」のみに置き、その後はRowlesを主要リード・ギタリストとして聴く。「Stand Out」はスタジオ・マスターの重複ではなく、ライブでの再演と理解する。
簡潔な曲順を『Out Here』の広がりと比較するが、2作を混同しない。明るいワウワウ・ギターの下にFayadのベースとSuranovichのドラムを保つ音源を選ぶ。
聴き方の道筋
客演が去った後のバンドを追う
- 「The Everlasting First」でLeeとHendrixの応酬を聴き、その後は期待を切り替える。
- 「Flying」と「Gimi a Little Break」で通常編成の簡潔な手法を捉える。
- ライブ版「Stand Out」を『Out Here』のスタジオ版と比べる。
- 「Keep on Shining」から「Love Is Coming」までリズムの転換を追う。
- 「Ride That Vibration」に、ツアー・バンド自身の長いグルーヴで冒頭曲へ応答させる。
調査経路
出典と参考資料
- 『False Start』曲目とクレジット — AllMusic
- 『False Start』デジタル・カタログ — Apple Music/UMG
- Loveアーティスト・ディスコグラフィー — MusicBrainzデータベース
- 『False Start』デジタル版 — Qobuz/UMG
- Loveアーティスト史 — AllMusic
- 『False Start』同時代の批評記録 — Robert Christgau