グループは1960年にLiverpoolで結成され、1962年にRingo StarrがJohn Lennon、Paul McCartney、George Harrisonへ加わって、安定した録音編成になった。マネージャーBrian Epstein、プロデューサーGeorge Martin、Lennon/McCartneyによる一連のシングルが、クラブで働くバンドを国際的なツアー・アクトへ変えた。しかし1965年にはすでに、『Rubber Soul』と両A面「Day Tripper」/「We Can Work It Out」が、レコードの和声、歌詞、楽器の幅を広げていた。
『Revolver』を次のツアー前に完成させたが、The Beatles最後の有料コンサートは1966年8月29日、Candlestick Parkで行われた。ツアーを終えたことで、舞台上で再現する必要のない録音を構築できるようになった。1966年11月から1967年4月まで、400時間を超えて『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』を制作した。「Strawberry Fields Forever」/「Penny Lane」のシングル、『Magical Mystery Tour』と「All You Need Is Love」は、同じスタジオ中心の時代を映画、テレビ、世界衛星中継へ広げた。
プロデューサーGeorge MartinとGeoff Emerickら録音技師は、リダクション・ミックス、テープ速度の変更、人工的ダブル・トラッキング、編集によって発想を4トラック録音へ移した。George Harrisonのインド音楽研究は、単なる装飾ではなくグループのリズムと調性の語彙を変えた。実験的手法は1967年以後も続いたが、White Albumと『Let It Be』に記録された、メンバーが次第に別々に作業する傾向は、1970年の解散へつながった。
サウンドとスタイル
「Tomorrow Never Knows」ではひとつの和声を保ちつつ、Ringo Starrのドラム・パターン、タンブーラのドローン、Leslie処理した声、手動でフェードさせたテープ・ループが表面を動かし続ける。「Strawberry Fields Forever」は異なる調とテンポで録った演奏を変速再生と編集で接合。「Being for the Benefit of Mr. Kite!」は遊園地オルガンのテープ断片をコラージュにし、「A Day in the Life」は対照的な2つの歌曲部分の間に指示された管弦楽の上昇を置く。The Beatlesに単一のサイケデリック・サウンドは存在しない。
Harrisonの「Love You To」「Within You Without You」は、インド古典音楽の実践で形づくられた形式にシタール、タンブーラ、タブラを用いる。それ以外でも、逆回転ギター、圧縮したドラム、旋律的ベース、金管、弦、Mellotron、急な編集を活用した。一貫しているのは、録音上の選択を作曲として扱うことだ。声の音色、テープの接合、速度変化が、旋律や和声と同じほど強く曲の個性を決めうる。
必聴アルバム
1966
Revolver
Parlophone · 1966年原盤
『Revolver』は、鋭く異なる14曲を35分へ凝縮する。「Eleanor Rigby」はロック・グループを外して弦楽八重奏を置き、「Love You To」はHarrisonの声をシタール、タンブーラ、タブラの中に置く。「I'm Only Sleeping」は逆回転ギターを作曲された対旋律へ変える。最初に録音されながらアルバム末尾に置かれた「Tomorrow Never Knows」は、旋法的ドローン、テープ・ループ、Leslieキャビネットを通した声を組み合わせる。1966年8月5日に発売され、英国1位を7週記録した。
主要曲:Tomorrow Never Knows · She Said She Said · Love You To
400時間を超えるスタジオ作業で録音された『Sgt. Pepper』は架空バンドという前提で、評判から想像するほど音楽的に一様ではない曲順を囲む。表題曲のリプライズは耳に分かる回帰を作るが、その間には「Lucy in the Sky with Diamonds」のLowreyオルガンと変速再生の声、「Within You Without You」のインド楽器合奏、「When I'm Sixty-Four」のミュージックホール編曲、「A Day in the Life」の編集された管弦楽クレッシェンドがある。英国では1967年6月1日に発売され、1位を獲得した。
主要曲:Lucy in the Sky with Diamonds · Within You Without You · A Day in the Life
この題名では形態の違いが重要だ。英国では新しいサウンドトラック曲6曲を2枚組EPで発売し、Capitolはその6曲を米国LPのA面へ置き、1967年のシングル5曲をB面に集めた。サウンドトラックは表題曲の金管ファンファーレから、「Flying」の宙づりのMellotronとテープ効果、Harrisonのドローン的な「Blue Jay Way」、「I Am the Walrus」のラジオ、合唱、管弦楽の密度へ進む。LP曲順には「Strawberry Fields Forever」「Penny Lane」「All You Need Is Love」も加わり、米国版は1967年のThe Beatlesを凝縮した地図になる。
主要曲:I Am the Walrus · Strawberry Fields Forever · Blue Jay Way
「Rain」は『Revolver』のセッションで録音され、「Paperback Writer」のB面として発売された「Rain」は、伴奏を減速してベースとドラムに異例の重みを与え、最後の声を逆回転させる。Harrisonの「It's All Too Much」は別の方法で、短いテープ構築を組むのではなく、狭い和声中心の周囲に長いオルガンとギターのうねりを持続させる。
1969年の『Yellow Submarine』のサウンドトラックは、B面にGeorge Martinの管弦楽スコアが入り、2曲がすでに別の形で出ていたため、The Beatlesのアルバムとしては均衡を欠く。それでも当時新曲だったグループの4曲、「Only a Northern Song」「All Together Now」「Hey Bulldog」「It's All Too Much」は、異なるスタジオ実験を残している。